今回は私が調剤薬局で事務として働いていたときに、倒れてしまった体験談をご紹介します。私が職場で倒れたのは、これで3度目。
1度目はメニエール病①、2度目はメニエール病②でご紹介しているので、こちらも興味をもったという方はぜひ読んで頂けたらと思います。
3度目:イメージと違う仕事でダウン!めまいを起こす
ご存知の方も多いと思いますが、調剤薬局とは病院でもらってきた処方箋を渡して、薬剤師から薬を受け取るところです。
私は事務だったので、主に患者さんから処方箋を受け取ってパソコンで入力したり、会計をしたり、といった仕事をしていました。
この仕事を選んだのは、静かな環境で座って仕事ができて、あまり動き回らなくていい職場だと思ったからです。
1度目と2度目に倒れた職場は慌ただしく動き回ることが多く、音楽や人の話し声などで騒々しかったので、そういった職場を避ければめまいで倒れるようなことはないだろう、と思ったんです。(まぁ自宅から徒歩10分程度のところにある、というのも理由のひとつだったんですが)
めまいを起こしやすい動きが続く仕事だった!
ところが私が働いた調剤薬局はかなり忙しいところだったようで、ほぼずっと椅子に座って静かにパソコンに向かっている、なんてことはありませんでした。
患者さんが来ると処方箋を受け取るのに立ち上がり、くるりと回転して背後にあるカルテを取り、また回転してパソコンに向かい、その間にまた患者さんが来るので立ち上がって処方箋を受け取り、必要なものが印刷できたら薬剤師に渡す、みたいな感じで。
立ったり座ったり、さらに何度もくるっと体の向きを変える、という状態が延々続く、という職場だったんです。
私の場合特に何度もくるっと体の向きを変える、という動きがダメで。恐らく三半規管が弱いからだと思うのですが、私にとっては遊園地のコーヒーカップでくるくる回されているようなものでした。
結局私は体調を崩しやすい梅雨の時期に、強烈なめまいに襲われ仕事に行ける状態ではなくなりました。
とりあえず1週間休ませてもらうことに……
強烈なめまいを起こしてからいつもの耳鼻咽喉科に行き、2日ほど休みましたがそれで回復するはずもなく。
これまでの経験から少なくとも1週間は回復しないことがわかっていましたし、毎日朝に「休ませてください」と連絡するのも精神的に苦痛だったので、とりあえず1週間休みをもらうことにしました。
ただ事務は私を含めて2人しかいなかったこともあり、社長はなかなかOKしてくれませんでした。
社長は薬剤師ではないものの調剤薬局に勤めている医療関係者ですから、今までの職場よりメニエール病に理解があると思っていたのですが、それは私の勝手な思い込みだったようです。
まだ回復していないけれど仕事に戻るしかなく…
1週間休みをもらっている間、私は病院に行く以外基本的にベッドの上で過ごしました。天井がぐるぐると回るようなひどいめまいで、椅子に座っていることも難しい状態だったからです。
そのひどい状態は1週間経つとだいぶマシになっていたものの、まだ元通り仕事に復帰できるという状態までは回復しませんでした。
そのため本当はもう1週間休みをもらいたかったのですが、やはり事務が1人という状況は厳しいと言われ……。
めまいは治まっていないものの、仕事に復帰して1週間は午後1時まで時間を短縮して出勤するということになりました。
職場に復帰したもののまるでゾンビのよう
不安を残したまま仕事に復帰した私は、まず1週間は午前8時30分から午後1時まで勤務することになりました。
「短時間だからなんとかなる!」と必死に自分に言い聞かせ、途中で処方薬を飲んだりしながら勤務したのですが、やはりめまいが治まっていない状態で仕事をするのは、かなり辛かったです。
事務は患者さんが自動ドアから入ってくるたび椅子から立ち上がるのですが、その動作だけでめまいがするという状態で。
さらに背後にあるカルテを取るために後ろを向くとまためまいがする、椅子に座って入力するために振り向くとまためまい、その繰り返しで。
めまいが続くと吐き気もしますし、平衡感覚が狂うというか、まっすぐ立っていることも難しくなり、さらに普通のスピードで動くことすら厳しくなってきます。
自分では普通のスピードで動いているつもりでも、どんどん動きがスローになっていったようで、患者さんの対応に間に合わない、という状況に。
それでも事務がもう1人いたのでどうにか回っていましたが、「まるでゾンビみたい」と言われてしまう始末。
午後1時に仕事を終え自宅に帰るとベッドに倒れ込む、というのを繰り返し、どうにかその週は乗り切りました。
私にとっての長時間勤務を乗り切るのが厳しかった
次の週から私は通常の勤務に戻りました。ただめまいが治まった訳ではなかったので、勤務時間が長くなるのは辛かったです。
私が勤めていた調剤薬局の営業時間は、午前9時から午後1時、午後3時から7時でした。ちなみに勤務時間は午前8時30分から午後1時30分、午後3時から7時30分となっていたんですが、実際は午後1時になっても患者さんが途切れないため、いったん閉めることができず。
そのまま3時を過ぎてしまい、7時になってもまだ患者さんがいて結局9時を過ぎて薬局を閉める、といったことがしょっちゅうでした。しかも休憩時間は勤務時間が伸びても1時間のみ。
木曜と土曜は午後1時で営業は終了のはずでしたが、5時を過ぎてやっと閉められるということも珍しくなく。しかも休憩時間はありませんでした。
もちろん世の中にはもっともっと勤務時間が長く、休憩時間もまともにとれずに働いている方は少なくないと思いますが、私はそれまで午前9時から午後5時までといった勤務が多く、しかもめまいが治まっていない状態でこの長時間勤務はかなり負担でした。
事務所で倒れてしまう
それでも処方薬を飲みつつ、ゾンビのようなスローな動きでどうにか仕事をしていましたが、それをずっと続けられる訳もなく。
1~2日休んでは復帰する、という状態になり、ついに勤務時間中患者さんのカルテを取ろうとしゃがんだところで動けなくなってしまいました。
時刻は午後1時前。その日は木曜日で、基本の営業時間は午後1時まで。でも患者さんはたくさんいてまだまだ終わりそうにありませんでした。でも社長が「あがっていいよ」と言ってくれたので、私はどうにか2階の事務所に上がりました。
あとはもう白衣を脱いでロッカーに入れてある荷物を取って自宅に帰るだけ、だったんですが、事務所に上がって1人になったことでホッとしたのか、私はロッカーの前で崩れ落ちるように倒れてしまいました。
意識ははっきりしていましたし、体を動かせない訳じゃなかったのですが、これまでの経験から今起き上がっても激しいめまいに苦しむだけ、とわかっていたのでしばらく横になったまま休むことにしました。
ちなみに床に倒れていた私を最初に発見したのは、社長でした。社長は最初「え!?」とびっくりした声をあげ、その後「大丈夫?」と私に尋ねました。
倒れて動けない訳ですから正直「大丈夫」という状態ではなかったのですが、まだ患者さんがいることが分かっていたので「大丈夫じゃない」なんて言えません。
仕方なく「大丈夫です」と言うと、社長は倒れている私をまたいで奥にある部屋に行き、書類らしきものを手に取ってまた1階に戻っていきました。
結局私は、午後3時頃に仕事を終えた薬剤師が数人2階に上がってくるまで床に倒れたままでした。
つまり2時間ほど床に倒れたままだった訳です。その頃にはどうにか体を起こせるようになっていたので、私は徒歩で自宅に帰りました。
まとめ
今回は私が調剤薬局に勤めていたときに倒れた体験談について、ご紹介しました。私にとって職場で倒れたのはこれが3度目。
1度目のときも、2度目のときも、もう2度と職場で倒れたくないと思い、特にこの調剤薬局では社員として働けるということもあり、長く働きたい!と思っていたのですが……。残念ながら1年ほどで辞めることになりました。
この記事で、私が「3つの職場で1度ずつ倒れてしまう」という体験談は終わりです。
私と同じメニエール病の人はもちろん、メニエール病になるとどんな感じ?めまいで倒れることがあるってホント?など、メニエール病について知りたいと思っている人の参考になれば幸いです。
↓ちなみに1回目、100円ショップで倒れたときの体験談はこちら。
↓ちなみに2回目、100円ショップで倒れたときの体験談はこちら。