しおたまごの体験談ブログ

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乳がんになった母③右胸の異常に気付いてから「乳がんです」と告げられるまで

※はじめに※

この記事を書いている私は医療関係者ではありませんし、乳がんについて専門的な知識もありません。

この記事はあくまで「乳がんになった母をもつ娘」として、毎回病院へ付き添って知ったこと、日々の母の様子を見て感じたことなどを書いています。

この記事を書こうと思ったのは、母が乳がんになったときに「○○の情報が欲しいのに、探してもない!」ともどかしい思いをしたからです。治療に役立つような専門的な情報はありませんが、私と同じような思いをしている方にわずかでもお役に立てれば幸いです。

 

今回は母の右胸の異常に気付き、近くのクリニックへ行っていくつかの検査を受け、先生から「乳がんです」と告げられるまでのことについてご紹介したいと思います。

 

どんな異常だったのか、そんな時は何科に行けばいいのか、どんなことを聞かれるのか、など当時の私が疑問に思ったこと、感じたこと、実際どうだったのかについて書いていますので、気になる方はぜひ読んでみてくださいね。

 

もし細かい内容よりも、どんな日程でどんなことをするのかサラッと知りたい!という方は、↓こちらの記事をご覧ください。

saltydog.hateblo.jp

乳がん発覚のきっかけは?~「乳がんです」と告げられるまでの流れ~

まず「母がなぜ乳がんだとわかったか」についてですが、これはある日右胸の異常に気付き、乳がんかもしれないと思い近くのクリニックへ行ったから、です。

 

簡単に言うと

1月30日の夜、お風呂上りに母の右胸の異常を発見

2月3日の午前中に近くのクリニックを受診、検査を受ける

2月10日の午前中、先生から「乳がん」と告げられる

という流れでした。

 

ここからはもう少し詳しく、乳がんだとわかるまでの流れについて書いていきます。

始まりは1月30日、素人が見ても明らかに異常だった

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全ての始まりは1月30日の夜、母がお風呂から上がった時に自分の右胸の異常に気付いたことでした。

 

母の右胸の表面は、広範囲に赤くただれたような状態になっていて、素人の私でも明らかにおかしいとわかるレベルだったのです。私はすぐに乳がんを疑いました。

 

これは私に知識があったからではなく、胸の異常で思いつく病気といえば乳がんくらいしか知らなかったからです。なので乳がんかもしれないと思った時、何科を受診すればいいのかもわかりませんでした。

 

ただ今はネットで調べることができますから、その日のうちに「乳がん 何科」で検索し、「乳腺外科」と出てきたので近くの病院を検索、すると運よく自宅から徒歩30分程度の距離に「乳腺外科」を専門とするクリニックを発見しました。

 

そして次の日に母に説明、土日を挟んで2月3日の月曜日に母と2人でクリニックに行きました。

なぜ明らかに異常とわかる状態になるまで気づかなかったのか

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ここまで読んだ方は、「なぜそんな状態になるまで気づかなかったの?」と思ったかもしれません。実際何人かの先生に言われましたし、私ももっと早く気づいていればと後悔しました。

 

ただ気づかなかった理由自体は単純です。母本人も、娘である私も、母の胸を観察するという習慣がなかったから、なんです。

 

浴室には鏡がありましたが位置が低すぎて胸は映りませんし、逆に洗面所の鏡は高すぎて胸が映らないという状態でした。全身を映す鏡はあったものの、鏡の前で裸でポーズをとる、なんて習慣もなかったですし。

 

あとは特に大きな違和感もなければ、痛みも全くなかった、というのも大きな理由かもしれません。

 

異常に気付いた時ですら痛みは全くないと言っていましたし、違和感については本人いわく触ってみるとそういえばしこりみたいなものがある気がする、という程度。とはいえ私が触ってみると、硬くて動かない大きなしこりのようなものを感じました。

 

ただそんな状態になるまで気づくことができなかった最大の原因は、母は1度も乳がん検診を受けたことがなかったから、だと思っています。

 

「乳がん」と告げられてから、母は「まさか70代で乳がんになるとは思わなかった」と言っていました。実は私ももっと若い女性がかかる病気というイメージがあり、乳がん検診という文字を見ても母は対象外、と勝手に思い込んでいたのです。

 

実際はそんなことはなく、先生には「もっと高齢の患者さんもいる」と言われて驚きました。

根拠のない思い込みは危険ですね。「母は乳がんになるはずがない」なんて勝手に思い込まずに、定期的に乳がん検診を受けて貰うべきでした。

 

乳がん検診は一般的に40代から受けることが勧められているようですが、例えば近親者に乳がんになった方がいるなどの場合は、20代でも受けるべきだという意見もあるようです。

 

ちなみに私は30代後半になったところですが、先生からは娘の私も乳がん検診を受けるべきだと言われました。

 

この記事を読んで頂いている方の中で、もしまだ乳がん検診を受けたことがなく、年齢などが該当するという方は、1度検討してみることをおすすめします。

2月3日に母と2人でクリニックへ

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2月3日の月曜日の午前中、母と2人でクリニックへ行きました。

 

到着するとまず受付をして、問診票の記入をします。ちなみに問診票は、受診した理由や病歴、服用している薬などを書くようになっていました。

書き終わって受付に渡すと、ソファに座って呼ばれるのを待ちます。

 

最初に行った検査は、マンモグラフィでした。これはクリニックの奥にある扉の向こうで行い、付き添いの私は入れません。母は耳が悪いので、そのことだけ伝えて見送りました。ちなみに検査は女性の技師さんが行うようでした。

 

その後は診察室で、超音波検査(エコー)や触診が行われ、検査に出すために右胸に針を刺して細胞の採取もされました。これも私は待合で待つように言われました。ちなみにこれらの検査は男性の院長先生が、女性の看護師さんの補助を受け行っているようでした。

 

検査中、私は当然ですが何もできず、ソファでじっと待っているしかありません。「乳がんかもしれない」と不安でいっぱいだったので、待ち時間は異様に長く感じました。

 

そしてやっと診察室に呼ばれ、先生の説明や質問を受けました。質問は異常を発見した時のこと、それに持病や血縁者に乳がんの人がいるかなども聞かれたと思います。

 

そして説明はいくつか画像を見せながらというもので、しこりもはっきりと見ることができました。先生は穏やかに丁寧に説明してくれましたが、結論として言われたことが衝撃でした。

 

先に「乳がんの可能性は5段階で説明するんだけど」というような前置きがあり、母の場合は「5段階中の5、ほぼ100%乳がんです」と言われたのです。

いきなり「ほぼ100%乳がん」と言われ衝撃を受ける

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「乳がんかもしれない」と思ってクリニックに行ったものの、まさかその日にいきなり「ほぼ100%乳がん」と言われるとは予想もしていませんでした。

 

母の右胸は素人の私が見ても異常な状態でしたが、やっぱり「乳がんじゃなければいい」という思いがありましたし。

 

なので言われた瞬間ガツン!と頭を殴られたような衝撃を受けました。希望が打ち砕かれたというか、とにかくものすごくショックでした。付き添いの私がそうなのですから、当事者である母はもっとショックだったに違いありません。

 

実際母は言われた瞬間の反応がなく、遅れて「え?」という感じでした。きっと頭の中が真っ白になって、反応が遅れたんだと思います。その後も少し放心状態でしたし。

 

ちなみに乳がんとはっきり確定するには、まだ今日採取した細胞を検査に出して、その結果が出てからということでした。でも専門の先生が「ほぼ100%乳がん」と言い切った訳ですから、「もしかしたら違うかもしれない」なんて楽観的には考えられなかったです。

 

検査結果は1週間後と言われ、母は当然ですが私も呆然という感じで帰宅しました。

2月10日に「乳がんです」と告げられる

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1週間後の2月10日の午前中に、クリニックから「検査結果が出ました」と連絡を受け、タクシーを飛ばしてクリニックに行きました。

 

ちなみに検査結果が出るまでの1週間は、母の糖尿病を診て貰うために総合病院へ行ったり、耳鼻咽喉科に行ったりとわりと忙しく過ごしました。検査結果が出たらきっと忙しくなると思ったので、結果が出るまでの1週間の間にできるだけ用事を済ませておこうと思ったのです。

 

とはいえその期間はあっという間に過ぎた訳ではなく、ふとした時に「これからどうなるんだろう」と考えてしまい、不安でいっぱいの1週間でした。

 

そして2月10日、わりと早く診察室に呼ばれ「検査の結果、乳がん確定です」と告げられました。

 

先週に「ほぼ100%乳がん」と言われているので、当然覚悟していたものの、やはりショックなことに変わりはなく。告げられた瞬間から、周りの風景がゆがんでいるように見えました。先生の声も1枚壁を隔てて聞こえるというか、声が遠くなった感じで。

 

でも母が放心状態なのと、耳が聞こえにくいということもあり、「先生の説明を私が聞き漏らす訳にはいかない!」と必死でメモをとりながら聞きました。

まとめ

今回は母の右胸の異常に気付き、近くのクリニックへ行っていくつかの検査を受け、先生から「乳がんです」と告げられるまでのことについてご紹介しました。

 

もちろんこれはあくまで母の場合で、誰もが同じ流れで同じ検査をする訳ではないでしょうが、一例として参考になればと思います。

 

ちなみに検査について女性の技師さんや男性の院長先生という情報を入れたのも、やはり胸を露出する必要があるという点で気になる方が多いかなと思ったためです。

 

ただこれも病院によって違うはずですので、もし気になる方は病院に問い合わせてみる、というのもひとつの方法かなと思います。