しおたまごの体験談ブログ

筆者が体験した病気や介護、日常のことなどをご紹介するブログです。

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コロナで面会禁止!励ましの手紙を送る場合にNGな内容は?

「コロナで面会ができなくて家族に直接会えない!」、「友人を励ましたいのに直接言葉をかけることができない!」と、もどかしい思いをしている人は多いでしょう。

 

私もコロナ禍で母が乳がんや胆石症、そして今は転移性脳腫瘍で入院中のため、同じ思いを味わっています。

 

ちなみに母はlineやメールができません。それどころか現在は自分で電話をかけることも難しい、という状態なので、励ます手段が本当に限られています。

でもだからこそ「手紙しかない!」と考え、今までも現在も入院中の母へ手紙を送っています。そんな私が母へ送る手紙を書く時に、避けている内容があります。

 

今回は「コロナで面会禁止のため会えないあの人に、励ましの手紙を送りたい!」と思っている人に、手紙に書かない方がいいと思う内容についてご紹介します。

 

なお私は手紙の書き方の専門家ではなく、特別な知識もありません。なのでマナーとして使わない方がいい言葉や、ビジネスでのお見舞いの手紙の例文、みたいな内容はご紹介できません。

 

この記事でご紹介するのは、あくまで私個人が「これは書かない方がいいだろうな」と思う内容なので、参考程度に読んで頂ければと思います。

※注意※

この記事は私が、乳がんや転移性脳腫瘍など、命を落とす可能性のある病気になった母へ手紙を送った経験を元に書いています。そのためこの記事を読んでいるあなたが、手紙を送ろうとしている相手の病気や怪我の種類、程度によっては、当てはまらない内容があると思われます。その点、ご注意ください。

手紙の内容は?書かない方がいい内容について

特に手紙をほとんど書いた経験がない人や、文章を書くのが苦手、あるいは嫌い、という人にとっては、

 

「あの人を手紙で励ましたい!」と思っても「何を書けばいいのかわからない」という人が多いはず。

 

↓ちなみに「入院中の家族あてに手紙を送る時、何を書けばいいのか」についての記事はこちら

saltydog.hateblo.jp

「とにかく手紙を書こう!」、と頑張って書いたものの、実はその内容で相手が落ち込んでしまったりしたら、手紙を送ったあなた自身も辛いでしょう。

 

相手を励ます、というのは実はなかなか難しいもので、悪気はなく送った言葉が相手を傷つけてしまう、という場合があります。

 

こちらでは「手紙に書かない方がいいのはどんな内容?」とお悩みの人に、私が思う避けた方がいい内容について8つ、ご紹介します。

①ネガティブなことは書かない

当たり前すぎる、と思う人もいるでしょうが、ネガティブな内容は書かないようにしましょう。

 

例えば「この病気は治らないと思う」とか「退院してからも辛い治療が待っているよ」とか、「元通り生活できるようになるまで、すごく時間がかかるだろうね」とか。

 

こんな風に直接的な表現でなくても、ネガティブな内容、つまり本人が落ち込んでしまうような内容は、書くべきではないでしょう。

 

なおこれは入院している本人に対することだけでなく、自分や他の誰かのことを書く時も内容に注意が必要です。

 

例えば「今日とても不幸なことがあったんだ」とか「○○さんが病気になったんだって」とか、「○○県で地震があってたくさんの人が被害にあったんだよ」とか。

 

「いや事実を書いただけだよ」と思う人もいるかもしれませんが、入院中の誰かにわざわざ暗い話題を届ける必要があるでしょうか?

 

まぁもし入院中の人が「くらーい話題が大好き」とか「誰かの不幸話が大好き」というのであれば別ですが。

 

でも一般的に考えれば、入院に加えて面会禁止で辛い思いをしている時に、「暗い話や誰かの不幸話が聞きたい!」という人は少ないはずです。なので、ネガティブな内容は書かないことをおすすめします。

②病気や怪我についての質問は書かない

例えば「○○病の手術ってどんな風にするの?」とか、「今後の治療って何をするの?」とか、手紙を送る相手の病気や怪我について、質問するような内容は書かないようにしましょう。

 

そもそも病気や怪我はデリケートなことですし、プライバシーに関わることでもあるので、どれだけ親しい相手でも気軽に聞いていいことではないと思います。

 

それにそういった質問は「興味本位で聞いている」と受け取られやすいので、相手が不愉快に思う可能性が大です。

 

ちなみに手紙ではなく直接質問されたことになりますが、母が乳がんだとわかった時、大して親しくもない近所の人に「どこの病院?」、「入院はいつから?」、「ステージは?」など、質問攻めにされたことがあります。

 

私も母も非常に不愉快でした。「他人の不幸は蜜の味」と言いますが、あの人はまさにそんな感じだったんです。

 

その後その人は何度も自宅を訪ねて来て、「ステージわかった?」、「手術はいつ?」など質問ばかりしてくるので、最終的に「自宅への訪問は遠慮してください」とお願いしました。まぁそれでもやって来るので、もう出ないようにしたんですけどね。

 

ここまでいかなくても、やはり手紙を送る相手の病気や怪我に関する質問は、例えば提出する書類にその情報がどうしても必要、とか何か特別な理由がない限り書くべきではないと思います。

③今伝えるべきではない、と思うことは書かない

これは入院している人の性格などによるので一概には言えず、なかなか難しいかと思いますが、「今伝えるべきではない」と思うことは書かない方がいいでしょう。

 

例えば私は、乳がんの手術を終えた直後の先生から「思ったよりひどかった。抗がん剤治療や放射線治療が必要」と伝えられたのですが、そのことを手紙には書きませんでした。

 

ちなみに母から電話で「今後の治療について先生から何か聞いてない?」と尋ねられた時も、「まだ聞いてないよ」と答えました。

 

理由は手術後で心身ともに大きなダメージを負った母に、今すぐ伝える内容ではない、と思ったからです。もちろんこれは私の勝手な判断で、「これが正解だ」とか「誰もがそうすべきだ!」と言っている訳ではありません。

 

ただ事実であっても「これは今のタイミングで言うべきことかな?」考えることは大切でしょう。

 

暗い話題はもちろんですが、例えば「結婚が決まった!」など本来なら明るい話題であっても、今は伝えるのを避けた方がいい、という場合もあると思います。

 

何しろ相手は入院中のうえ、面会禁止で会いたい人にも会えない、という辛く苦しい状況にある人です。

 

普段は「おめでとう!」と祝ってくれる人でも、もしかすると体や心が弱っているせいで「こんな状況の私に自分の幸せを見せつけてるの!?」と思ってしまう可能性もあります。

 

なかなか難しいですが、まずは相手の状況を考え、「今この内容を伝えると、あの人はどう思うだろう?」と想像してみると、書くべき内容か、そうでないか、判断がつくと思います。

④本人の病状などを軽んじる内容は書かない

これも入院している人の性格や病状によるかもしれませんが、

 

例えば「大したことないよ」とか「ちょっと切っただけでしょ」とか「大げさな。そんな痛くないでしょ」とか、「寝てれば治るよ」とか。

 

そういった本人の体や心の苦しみ、辛さを軽んじるような内容は書かない方がいいと思います。

 

他にも例えなので、あえてわかりやすくひどい内容を書きますが、

 

「同じ病室の人のいびきがうるさい?それくらい我慢したら?」とか、

「入院なんて食べて寝てるだけでしょ。楽なもんだよね。うらやましいわ。こっちは仕事で大変なんだよ」

など。

 

もちろんさすがにそんな内容を書く人はいないと思いますが、そうと取れるようなことは、当然ですが書かないようにしましょう。

 

だってもし自分がそんな内容の手紙を送ってこられたとしたら、辛いし悲しいし、落ち込んでしまうと思いませんか?

 

ちなみに「大丈夫!」「すぐ治るよ!」などの言葉も、中には「何の根拠があって言ってるの?」など、不愉快に思う人もいるようです。

 

きっと悪気なく使ったり、励ましのつもりで書いていると思うのですが、それが相手を傷つけてしまうこともある、ということは頭に入れておいた方がよさそうです。

 

言葉の受け取り方は人によって違いますし、状況によって変わることもあるでしょう。

 

難しいですが、手紙を書く時に「この言葉であの人は傷ついたりしないかな?」と考えながら書くと、大きな失敗は防げるかなと思います。

⑤安易な「わかる」、「知ってる」は書かない

私の母はある日突然「乳がん」という、命を落とす可能性のある病気だと告げられました。付き添いでその場にいた私も大きなショックを受けましたが、母が受けたショックとは比べ物にならないと思います。

 

さらにこれから入院して手術を受ける母の不安や苦しみ、辛さはどれほどのものだったか。それは母にしかわからないことです。

 

例えば入院中の不自由さ、手術前の不安や恐怖、手術後の痛みなど、「こんなことが辛いかな、あんなことが苦しいかな」と想像することは、私にもできます。

 

でも実際に苦痛を味わっているのは本人だけですから、私が本当の意味で母の苦しみや辛さを理解することは不可能です。

 

なので安易に「痛いよね、わかるわー」とか、「入院生活ってしんどいよね、わかるー」など、自分が実際に味わっていない苦痛について「わかる、わかる」みたいなことは書かないようにしていました。

 

もちろんこれは本人の性格によるとは思いますが、母はそういったことを言われるのを嫌うタイプでした。

 

本人からすると「あんたは乳がんになってない、入院も手術もしていない、なのに一体何がわかるの!?」と言いたくなるのでしょう。

 

同じ理由で「知ってる」という言葉も、避けた方がいいかなと思います。

 

例えば「乳がん?あー、知ってる知ってる」と言う人、実際に数人いたのですが、その人の言う「知ってる」は、「乳がんという病気の名前を知ってる」というだけでしょう。

 

病気になった本人や家族からすると、「一体何を知ってるの?」と言いたくなる、という場合もあるので、避けた方が無難です。

⑥誰かと比べるような内容は書かない

例えば手紙に「○○さんも同じ病気だったけどすぐ治ったよ」とか、「○○さんはもう仕事に復帰してるよ」といったことが書いてあると、

 

実際にはその後に続く文章はなくても、「なのにあなたはまだ治らないの?」と言われている気になりませんか?

 

「いや、ならない」という人もいるとは思いますが、逆に言えば「そう言われているように感じる」という、私と同じ人もいるはずです。

 

そもそも例え同じ病気でも、年齢や持病の有無などの違いや、がんならステージの違いなどもあるはずです。

 

例えば20代の持病のない若者と、70代の持病のある高齢者を、同じ病気だからといってその回復スピードなどを比べたりするでしょうか?

 

私には専門的な知識がないので、安易な例えや考えしかできませんが、恐らくその2人を単純に比べることはしないと思うのです。

 

もしそこまでの違いがないとしても、例えば自分が誰かと比べられて批判的なことを言われたとしたら、悲しくなると思いませんか?

 

ちなみに私がそういった内容の手紙を受け取った場合、「私の努力が足りないから、○○さんみたいに病気が治らないの?」と落ち込んでしまうと思います。

 

もちろん受け取り方は人によって違うでしょうが、きっと私と同じように思う人は少なくないはずです。

 

なので例えば「○○さんはあなたと同じ病気だったけど、もう治って仕事に復帰してるよ」など、安易に誰かと比べて書くのはやめておいた方がいいでしょう。

 

それが悪気はなく、ポジティブな意味、例えば「だからあなたも大丈夫!」という意味で書いたのだとしても、病名が同じだからといって症状や程度まで同じとは限りません。

 

つまりあなたが比べた誰かと同じように、入院中の人が必ず戻って来られると断言はできないのですから、例えポジティブな意味のつもりでも、書かないことをおすすめします。

⑦ネットなどで得た情報を元にしたことは書かない

例えば「ネットで見たけど、普通は〇日で退院できるものなんだって」とか、ネットで得た情報を元にしたことは、書かない方がいいでしょう。

 

もしかするとその情報は間違っているかもしれませんし、例え間違ってはいなくても、それが入院中の人に当てはまるかどうかは、素人にはわからないはずです。

 

ちなみに母が乳がんで入院する時、知り合って間もない近所の人に「今はがんなんて2人に1人はなるものだから」と言われたのですが、私は正直「無神経な発言だな」と思いました。

 

きっと言った本人に悪気はないでしょうし、こちらの受け取り方の問題と言う人もいるでしょう。おまけに言われた内容も、私だってネットや新聞で見たり、ニュースで聞いたことがあるものでした。

 

でも例え言った内容が事実であっても「つい先日突然乳がんと告げられ、これから入院して手術を受ける」というタイミングで、本人やその家族に真っ先に告げる言葉として適切と言えるでしょうか?

 

もしあなたががんと宣告された時、大して親しくもない人に「がんは2人に1人はなるもの」と言われて、慰められたり、「そっかー。2人に1人はなるんだー。じゃあしょうがないや!」と、明るい気持ちになったりしますか?

 

もしかすると「そんなことを言われても気にしなければいい」という人はいるかもしれません。

 

でもそう答えるあなたは、今実際に命を落とす可能性のある病気を宣告された人、あるいはその家族でしょうか?もしそうなら、私はその考えを見習うべきなのかもしれません。

 

ただ恐らく多くの人は、命を落とす可能性のある病気になった場合、体だけでなく心も弱っているはずです。命にかかわる病気や怪我ではなかったとしても、入院や手術をした人の心は、普段通りではなく、傷つきやすい状態だと思います。

 

なので特にネットなどで得た情報を元にして安易に手紙を書くことは、やめておいた方がいいでしょう。

⑧本人にとってプレッシャーになることは書かない

例えば「〇日には退院してくれないと困るよ」とか、「仕事があってこれ以上休めないよ」とか、「退院したらすぐに元通り〇〇をやってくれるよね」とか、

 

入院している人にとってプレッシャーになることは、書かない方がいいでしょう。

 

他にも「手術してもう〇日経ったんだし、○○さんはそれくらいで仕事に復帰してるから、もう大丈夫だよね」とか、

 

⑥で書いた内容と似ていますが、他の誰かと比べて「あなたも○○さんと同じようにできるはずだ!」というようにとれる内容は、やめておいた方がいいでしょう。

 

ただもちろんこれも、入院している人の性格によるところはあると思います。もし誰かと比べるようなことを言われて「よし、○○さんに負けるものか!」と、逆にやる気がみなぎるというか、

 

プレッシャーを与えるような内容を書くと「負けてたまるか!」みたいになる人に対してなら、あえてそういった内容を書く、というのもいいかもしれません。

 

ただ上でも書きましたが、病気になると人は体だけでなく、心も弱るものです。普段は強気な人だって、別人のように心が弱ってしまうこともあると思います。

 

いつも通り、あるいは平気そうに見えても、言葉や表情を取り繕っているだけ、という可能性もあるでしょう。

 

なので、基本的に本人にとってプレッシャーになる、と思われる内容は書かないことをおすすめします。

手紙の例文の丸写しはやめた方がいい

ここまで私が思う「手紙に書かない方がいい内容」についてご紹介しましたが、最後にもうひとつ、「これはやめておいた方がいい」と思うものを書いておきます。

 

それは「ネットで出てくる手紙の例文の丸写し」です。特に相手の名前だけ変えて丸写し、だとすぐにバレる可能性があります。

 

手紙を送る相手によっては、どうしてもマナーの良さを気にする必要があり、悪い言い方をすると、形式ばった手紙を送らざるを得ない場合もあるでしょう。

 

そういった時ネットにある「手紙の例文」は、とても便利ですよね。

 

でもそれは基本的に誰でも簡単に調べられるものですから、もしかすると手紙を受け取った相手が「あれ?これ見たことある」と思ってしまうかもしれません。

 

手紙は本来、自分の言葉で書くのが1番いいのですが、それが難しい場合でも丸写しだけはやめましょう。

 

せめていくつかのサイトを調べて、相応しいものを組み合わせる、などの工夫をして、一言くらいは自分の言葉で書くことをおすすめします。

まとめ

今回は「コロナで面会ができないあの人を、手紙で励まそう!」と思った時、送る手紙に書かない方がいい内容についてご紹介しました。

 

繰り返しになりますが、ご紹介した「手紙に書かない方がいい内容」は、あくまで私個人がそう思う、というだけのものです。

 

また冒頭に書いていますが、この記事は私が「命を落とす可能性のある病気で入院した母」へ手紙を書いた経験を元にしたものです。

 

そのため「手紙を送る相手の病気や怪我」によっては、全く当てはまらないという場合もあると思います。なので参考程度に読んで頂ければ、と思います。

 

ただ「何気なく書いた一言が相手を傷つける」場合があること、これだけは心にとめて手紙を書くことをおすすめします。