この記事は、私が祖父(2018年7月に永眠)の介護にかかわった約8か月の体験を元にしています。私は介護にかかわること自体初めてで、何の知識もありませんでした。
そんな私が最後まで祖父の介護にかかわることができたのは、ケアマネージャーさんやヘルパーさん、訪問看護師さん、主治医の先生など多くの人達の助けがあったからです。
今になって当時を振り返ると、「あの時ああすればよかった」など反省することも多いです。その体験が少しでも誰かの役に立てば嬉しいと思い、記事にすることにしました。
この祖父の介護の記事は私の実体験を語りながら、感じたことや反省したこと、そして介護や医療関係者から受けたアドバイスなどもご紹介します。
今回は祖父の食事のために、実際に私が購入していたものをご紹介したいと思います。
食事はずっと同じではなく変わっていくことに注意!
私が実際に購入した食品をご紹介する前に、まずは祖父の介護環境や食品を買うときの注意点などについて語りたいと思います。
祖父は1人暮らしで足が悪く、私が介護にかかわり始めた頃は杖をついて歩いていました。そんな祖父の食事は、私がレトルトパックのおかゆやおかずなどを購入し、自宅に届けていました。
祖父は料理が一切できなかったので、主食もおかずもそのまま食べられるものか、電子レンジでチンして食べるものくらいしか選べなかったのです。
最初の頃は祖父も自分で電子レンジを使っておかゆを温めて食べることができており、ヘルパーさんは補助や片付けなどを行う、という感じでした。
でも入退院を繰り返すうちに歩けなくなり、最後は寝たきりになったため、食事の準備なども全て、ヘルパーさんや訪問看護師さんにしてもらうようになりました。
状態が悪くなると味覚も変わる?
このように祖父の状態はだんだん悪くなっていったのですが、食事の内容や量もそれに合わせるように変わっていきました。味覚さえも途中で変わってしまったようで、最初は美味しいと食べていたものも「味が濃い」と言い出して食べられなくなったり……。
食欲がないと聞いていたからおかゆを追加で買わずにいたら、突然食欲が戻って足りなくなったり、逆に1か月分まとめておかゆを買った矢先に、食欲がなくなり入院したり……。
そういった変化があることを知らずに、もし1度に大量の食品を購入してしまったら、無駄な在庫を抱えることになり困ってしまいます。
また昔好きだったものも、たとえば祖父の場合はトンカツや豚まんなどですが、噛めない、油っこくてお腹を壊す、などで食べられなくなっていたりします。こういったことは特に私の場合離れて暮らしていましたし、年齢もかなり差があるので正直わかりませんでした。
高齢者で入れ歯をしているから固いものは食べられないだろう、ということは分かっても、どの程度固いものがダメなのかは分からなかったのです。
1回の食事量もどれくらいで計算すればいいのか分からず、同じものばかり買うのもよくないだろう、栄養面も考えたいけれど値段がどんどん高くなってしまう、など悩みは尽きません。
ヘルパーさんに相談してみた!
しばらく悩んでから私は祖父本人と、食事の介助を行っているヘルパーさんに聞くようにしました。今思い返してみれば、最初からヘルパーさんに聞いておけばよかったと思っています。
私が食事について相談すると、ヘルパーさんはとても熱心におすすめのものを教えて下さいました。近くのスーパーで買えるものから、スマホで調べた介護食品まで。
それはとても参考になりましたが、中には高くて「ずっと続けることはできない」と諦めたものもありました。
専門家であるヘルパーさんの意見はできるだけ聞きたいですが、やはり介護環境や経済状況などは人によって違うので、全てその通りにはできません。
でも貴重な意見ですからそれを取り入れながら、経済状況などと合わせて考えて選ぶのがベストかなと思います。
食事の内容や量もいつ変わるかわからないので、離れて暮らしている場合は定期的にヘルパーさんに尋ねた方が安心です。
祖父の食事に実際購入したもの~主食~
ここからは私が祖父の食事にと、実際購入した食品をご紹介します。
祖父の場合、主食は好物のおかゆでした。最初の頃はパックのご飯を食べることもできたのですが、おかゆに比べて飲み込みにくかったようで、すぐに食べなくなりました。
私が購入していたおかゆは、スーパーやドラッグストアでも購入できる「味の素のおかゆ」です。味の素のおかゆはいくつか種類があり、祖父は最初玉子がゆが1番好きと言っていました。
なので最初は玉子がゆを多めに買い、あとは色々混ぜて買っていたのですが、最終的には白がゆか梅がゆしか食べなくなりました。
特に玄米がゆや小豆がゆはヘルパーさんから、祖父が「食べにくい」と言っていると教えてもらい、購入しなくなりました。
白がゆ
味の素のおかゆで1番多く購入したのは「白がゆ」です。祖父はこれに小粒の梅干しと、白と黄色の2種類入ったたくあんを添えて食べていました。
フリーズドライの雑炊
他にも飽きずに食べられるようにと、お湯をそそぐだけで食べられるフリーズドライの雑炊も購入しました。
こちらは私も実際食べたのですが、簡単にできるのにすごく美味しくてびっくりしました。祖父にも好評だったのでおすすめですよ!
パワーライス
祖父の場合は本人の希望で主食をおかゆにしましたが、ガリガリに痩せていたので正直もっとエネルギーになるものを食べて欲しいと思っていました。
祖父だけでなく、ヘルパーさんやケアマネージャーさんにも好評でした!
祖父の食事に実際購入したもの~おかず~
祖父の場合主食のおかゆだけでは栄養が足りないと思ったので、介護食のおかずを購入していました。調理が簡単で日持ちして、栄養があり値段も高すぎないもの、という制約の中で選んだものが「キューピーのやさしい献立シリーズ」です。
アソートセットなら色々な味があり、飽きずに楽しんで食べられると思いました。実際祖父にも好評でした。
ただ最初はある程度噛んで食べることができても、だんだん噛めなくなり飲み込む力も衰えていきます。そのあたりはヘルパーさんや訪問看護師さんに聞いて、更に食べやすいものに変えるようにしていました。
キューピーのやさしい献立シリーズ
ちなみに最初に購入したのが、この「容易にかめる」タイプです。
さらに食べるのが難しくなってきたので、「舌でつぶせる」タイプに変えました。
祖父は最後おかずをほとんど食べられなくなったので、こちらは購入していませんが、もう少ししたら購入しようと考えていたものです。
アサヒのバランス献立
最初は「美味しい」と嬉しそうに食べていたのですが、しばらくして「味が濃い」と言って、あまり食べなかったとヘルパーさんから聞き驚きました。
このように味覚が変わって食べなくなることもあるようですが、食べられるうちはできる範囲で、本人の好きな食べ物を取り入れるのもいいと思います。
大塚食品のマイサイズ
カレーやクリームシチュー、チーズリゾットや中華丼、親子丼など種類がたくさんあるのでおすすめですよ!いくつかのせておきますね。
お味噌汁
祖父はお味噌汁が好きだったので、いつも数種類ストックしていました。どうも汁物がないとのどに詰まって食べにくいみたいですね。
その中でもおすすめしたいのが、温まって元気になれるという下のお味噌汁です。
祖父の食事に実際購入したもの~その他~
1日3食の食事を用意する以外にも、食後のおやつやちょっと小腹がすいたときなどに食べるものも用意しておく方がいいです。
祖父は牛乳とアイスが好きで、機嫌が悪いときもこれらを出すとコロッと態度が変わることもありました。
おしるこ
下は寒いとき祖父が好んだのが、おしるこです。お湯に溶かすタイプなので簡単に作れて便利ですよ。
甘酒
ゼリー
食事をあまりとってくれない、栄養不足が心配という人で、おやつなら食べてくれるという場合、下のようなゼリーもおすすめです。
祖父もおかゆばかり食べて栄養面が不安だったので、食後やおやつにこのゼリーを出してもらっていました。
1人のときにも食べられるように、ベッドの近くに置いておくこともできるので便利ですよ。
メイバランス
そこで似たようなものをと市販で購入したのが、下のドリンクです。これは「美味しい」と飲んでくれました。
OS-1
祖父は腎不全で尿の量が少なく、一時は透析が必要になるかもしれないと言われていました。
幸い透析はせずに済んだのですが、水分をとる量があまりに少なく脱水を起こし病院に運び込まれたこともあります。なので水分を摂るように何度も言ったのですが、「水は薬を飲むときに飲むものや」と言ってなかなか飲んでくれませんでした。
そこで少量でも効率よく脱水症状を防ぐために購入したのが、下のOS-1です。初めて飲んだときは「変な味や」と言っていましたが、慣れれば普通に飲んでくれるようになりましたよ!夏の熱中症対策にもおすすめです!
まとめ
今回は祖父の介護食として、私が実際に購入していた食品をご紹介しました。
介護食は介護を必要とする人の状態や好きなもの、介護環境などによっても変わるので、一概に「これが正解!」というものはないと思います。また本人の状態が変化すると食事の内容や量も変化するので、ずっと同じものを買うという訳にもいきません。
私の場合まず祖父本人に何が食べたいか聞いたのですが、「おかゆ」としか言わず、それだけでは明らかに栄養不足なので悩みました。それからヘルパーさんに相談し、具体的に何がいいかを聞いて購入するようになりました。
栄養面では訪問看護師さんや主治医の先生も相談にのって下さいます。1人で悩まず、介護や医療関係者に相談すると、本人にとってもベストな食事が用意できると思います。