しおたまごの体験談ブログ

筆者が体験した病気や介護、日常のことなどをご紹介するブログです。

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祖父の介護⑧ヘルパー&薬剤師の訪問を拒否する!理由や解決法は?

この記事は、私が祖父(2018年7月に永眠)の介護にかかわった約8か月の体験を元にしています。私は介護にかかわること自体初めてで、何の知識もありませんでした。

そんな私が最後まで祖父の介護にかかわることができたのは、ケアマネージャーさんやヘルパーさん、訪問看護師さん、主治医の先生など多くの人達の助けがあったからです。

今になって当時を振り返ると、「あの時ああすればよかった」など反省することも多いです。その体験が少しでも誰かの役に立てば嬉しいと思い、記事にすることにしました。

この祖父の介護の記事は私の実体験を語りながら、感じたことや反省したこと、そして介護や医療関係者から受けたアドバイスなどもご紹介します。

 

 

 今回は祖父がヘルパーさんや薬剤師の訪問を拒否したことについてご紹介します。

 

祖父がそんなことをした理由や、解決方法についてもお話しますので、もし同じようなことで悩んでいるという人は読んで頂けたら嬉しいです。

 祖父がヘルパー&薬剤師の訪問を拒否!

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まずは祖父がヘルパーさんと薬剤師の訪問を拒否した経緯について、お話します。

 

祖父が退院して2日後の11月27日に、私は母と一緒に祖父の自宅で初めてケアマネージャーさんと、新しいヘルパーさんに会いました。

 

そこで今後のケアプランを立て、今まで週1だったヘルパーさんを週2に変更しました。でも祖父が30日に認知症だと発覚し、警察を呼ぶ事態になったので、ヘルパーさんには週3入ってもらうことになりました。

 

そして12月7日、祖父は「お金をとった!」とヘルパーさんを泥棒扱いし、買い物代行を拒否しました。このことを私は次の日の8日に電話で聞かされました。

 

その日は要介護認定に必要な認定調査を受ける日だったので、私は祖父の自宅に向かいました。すると祖父は機嫌が悪く、「ヘルパーが毎日来る。毎回違う人が来る。今月はもう100人来た」などと私に訴えました。

祖父が家の中で倒れているかもしれないと大騒ぎに

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また意味不明なことを言っていると思っていたら、11日の朝にヘルパーさんから電話がかかってきました。

 

なんと祖父は9日にヘルパーさんの訪問を拒否、処方薬を自宅に届けに来た薬剤師を拒否。次の日に祖父の自宅に電話をかけたけれど出ず、今日の朝も電話に出ないと言うのです。

 

ケアマネージャーさんが祖父の自宅まで行き、ドアや窓を叩いても反応がないとのこと。「もしかしたら家の中で倒れているのかもしれない」と言われ、私は「すぐに行きます」と返事をしました。

 

準備を終えて出かける前に念のため祖父の自宅に電話をかけると、祖父が出ました。拍子抜けしつつ事情を聞くと、郵便局に行っていたという返事。

 

ケアマネージャーさんやヘルパーさん、薬剤師にどれだけ迷惑をかけたか説明しましたが、「郵便局がいっぱいやった。あいつらは仕事が遅い」などと言うばかり。

 

通話を終えてヘルパーさんに事情を説明し、私は祖父の自宅に向かうことを中止しました。

 

すると同じ日の夕方にケアマネージャーさんから電話が入り、「あの後薬剤師が薬を届けに行ったけれど出てくれなかった」と言われ、「また同じことがあると困るので、キーボックスを設置して中に合鍵を入れて下さい」と言われました。

合鍵を入れたキーボックスを設置する

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私は電話を切ってすぐにホームセンターへ向かい、キーボックスを購入。次の日の12日に合鍵を作り、祖父には内緒で水道のメーターのところに設置しました。

 

その後で祖父の自宅に入ると、祖父は「ヘルパーが好きな時間に勝手に来よる」とご立腹。ちょうどヘルパーさんが来たので事情を聞くと、時間は曜日によって違うと説明されました。

 

実はその日が祖父の介護⑥でご紹介した、ヘルパーさんが祖父の自宅を訪問する現場を初めて見たときでした。

 

その日祖父が今までヘルパーさんに何もしてもらわずに帰していたことが発覚し、私は「何もしてもらわなくても、ヘルパーさんが自宅を訪問するだけでお金をとられるんですよ」と祖父に説明。

 

祖父は納得がいかなかったらしく、結局ヘルパーさんの訪問は週3から週2に戻すことになりました。

ヘルパー&薬剤師の訪問を拒否した理由は?

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祖父がヘルパーさんや薬剤師の訪問を拒否したと電話で聞いたとき、私は申し訳なさと恥ずかしさでいっぱいになり、その後に怒りを感じました。

 

ご迷惑をおかけした人には全て私が謝罪したものの、祖父は自分が悪いとは全く思っていなかったのです。

 

ヘルパーさんには祖父ができるとは思えない洗濯や掃除、それに自分でできるけれどかなり時間がかかってしまう食事の用意などをしてもらうことになっていました。

 

週に3回、1日1時間でもヘルパーさんに助けてもらえば、祖父の生活は格段に快適になったはずです。それをどうして拒否するのでしょうか?

 

薬剤師も、祖父の自宅から10分はかかる薬局からわざわざ処方薬を届けてもらっていました。祖父が薬剤師の訪問を拒否したのは9日の土曜日で、前日の夕方に主治医の先生に往診に来て頂いていました。

 

つまり薬剤師は、処方箋が出てすぐ次の日に薬を届けて下さった訳です。(最初は月曜日に届ける予定と聞いていたのですが、認知症の薬が入っていたので早く届けて下さったんでしょう)

 

ケアマネージャーさんも週1から週2、そして週3と短い間にヘルパーさんに入って頂く日が変わったので、専門的なことはわかりませんが色々と大変だったはずです。

 

多くの人にこれほどよくして頂いているのに、それを拒否するなんて祖父が一体なにを考えているのか全くわかりませんでした。

拒否した理由①祖父なりの抵抗?

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祖父が2度とヘルパーさんや薬剤師の訪問を拒否しないようにするために、私はまずなぜ祖父がそんなことをしたのか理由を考えてみました。

 

本来なら本人に理由を聞けば済む話ですが、元々の性格なのか、それとも認知症だからなのか、私が尋ねても関係のない話をするばかりで、求めている答えは得られませんでした。

 

なのでこれはあくまで私の想像に過ぎないのですが、拒否した理由は祖父なりの抵抗だったのではないかと思います。

 

祖父は私が介護にかかわってから起きた変化を、きっと不満に思っていたのでしょう。

ヘルパー事業所を変えたことが気に入らなかった?

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たとえばヘルパー事業所が変わったこと、週1だったヘルパーさんの訪問が週2、そして週3と変わったこと。薬剤師に自宅まで薬を届けてもらうようにしたことなど。

 

もちろんこれらは全て祖父にきちんと説明し、祖父の承諾をとっていました。ヘルパーさんの訪問に関しては、書類に署名したのも祖父ですし、私が勝手に話を進めた訳ではありません。

 

けれど祖父からすれば、断れない状況で無理やり承諾させられたようなものだったのでしょう。

 

契約の話をするときは、私だけでなく私の母やケアマネージャーさん、ヘルパーさんも同席して、祖父を囲むような形で話をしたので。

 

週に何度訪問してもらうかという話も「何回にしますか?」ではなく、「週2回入ってもらわないと無理ですよ」というような言い方でしたし。

 

なぜそんな言い方になったのかと言うと、祖父はお金がかかることを極端に嫌うタイプだったので、祖父に任せてしまうと週1の訪問ですら断ってしまうからなんですが。

 

ともあれ祖父は私が介護にかかわってから起きた変化を不満に思っていて、ヘルパーさんや薬剤師の訪問を拒否することで、祖父なりの抵抗を示したのではないかと思います。

 

ヘルパーさんに何もしてもらわず帰したのも、自分は週3の訪問に納得していない、追い返せばお金をとられずに済むし、週3から週1など回数も減るのでは?と考えたのかもしれません。

拒否した理由②急激な変化を嫌う?

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ちなみに祖父の介護⑦でご紹介しましたが、年末年始に入ってもらうためにヘルパー事業所は1月から変更になりました。新しいヘルパーさんには元旦から入って頂いたんですが、祖父はかなり抵抗を示したようです。

 

このことから、祖父は短期間で起こる変化を嫌っているのでは?と思いました。祖父に認知症の症状が出たのも、警察を呼ぶ事態になったのも、ケアマネージャーさんは「急激な変化が原因」と言っていましたし。

 

ヘルパーさんには失礼な話なんですが、祖父からすると「ある日突然見知らぬ人が自宅を訪問してきて、自分の生活空間の中に入り込んでくる」という状態になるので、不安だったり、混乱したりしたのかもしれません。

拒否した理由③お金をとられると思った?

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加えて祖父はダイニングと寝室の2か所にまとまったお金を置いていて、それをヘルパーさんに盗まれることを警戒していたようです。

 

なぜそれがわかったのかというと、祖父から「ヘルパーが勝手に寝室に入る」とか「2人で来て、わしがダイニングにおると1人が寝室でゴソゴソやっとる」などと聞かされたからです。実際祖父は「ヘルパーにお金をとられた!」と騒ぎましたし。

 

もちろんヘルパーさんがお金を盗んだ、なんて事実はありませんが、そのことをいくら祖父に説明しても納得してもらえませんでした。

 

自宅を訪れるヘルパーさんは毎回同じ人ではないですし、曜日によって訪問時間も違っていたので、祖父からすると来る人がコロコロ人が変わる、いつやって来るかわからないという状態で、気が抜けずストレスになっていたのかもしれません。

祖父が薬代の支払いを拒否!薬剤師が嫌い?

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1月23日、祖父は薬を届けて下さった薬剤師に代金を支払うことを拒否しました。

 

ケアマネージャーさんから「薬は受け取ったものの、お金は支払わなかった」と連絡を受け、私がどれだけ恥ずかしかったか……。

 

その後祖父と話をしてみましたが、「お金がなかった」とか「薬代が高い」とか言い訳をするばかり。

 

でも薬代が払えないほどお金に困っていた訳ではありませんし、そもそも1割負担で薬代は高いとは言えない金額でした。それなのに祖父は「とにかく薬代は支払いたくない!」という態度。

 

理由がわからずしばらく祖父の話を聞くうちに、祖父は薬剤師が気に入らないということがわかりました。なにしろ「態度が悪い」とか「偉そうに指図してくる」とか、「いらん薬ばっかり持ってくる」など文句のオンパレードだったので。

 

でも祖父の言っていることは事実ではありません。薬剤師はとても親切で説明も丁寧でしたし、薬だって主治医の先生が処方した祖父に必要なものです。

薬剤師という職業をよくわかっていなかった

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ただ祖父は薬剤師という職業についてよくわかっていなかったようです。薬剤師や看護師のことを「医者の真似事をしとる」などと言っていたので。(ものすごく失礼な話ですよね)

 

また「態度が悪い」とか「偉そうに指図してくる」とか言ったのは、薬剤師とヘルパーさんを比べてのことだと思います。

 

たとえばヘルパーさんなら祖父が嫌がることはやらない、ということもできると思いますが、薬剤師の場合は祖父が「この薬は飲みたくない」と言っても「じゃあ飲まなくていいです」という訳にはいかないでしょうから。

 

薬の飲み方だって「好きなときに好きなだけ飲めばいいです」なんてことはあり得ませんし。

 

でも祖父はそのことがわからず、「自分よりも若くて医者でもないくせに、わしに偉そうに指図しよる」という感じで腹を立てていたのでしょう。

 

実際私が薬剤師に謝罪に行ったとき、「祖父に嫌われているみたいだ」という話を聞きました。祖父は毎回ひどい態度をとっていたようです。

 

それを聞いてなんとか祖父がそんな態度をとらないようにと話をしてみましたが、結局わかってもらえないままでした。

ヘルパー&薬剤師の訪問拒否を解決した方法

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こちらでは、祖父がヘルパーさんと薬剤師の訪問を拒否することを解決した方法を、それぞれご紹介します。

ヘルパーの場合の解決方法

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祖父が鍵をかけてヘルパーさんの訪問を拒否するという問題は、12月12日にキーボックスを設置して合鍵を入れたことで解決しました。

 

けれどたとえ室内に入れても祖父がヘルパーさんの介護を拒否すれば、ヘルパーさんは何もせずに帰るしかありません。この問題は、私ではなくヘルパーさんが解決してくれました。

 

祖父は1月から入ってもらったヘルパーさんのことを、とても気に入ったのです。

 

変更当初は新しいヘルパーさんを警戒し、ひどい態度をとっていたようですが、徐々に態度が和らぎ、最後にはヘルパーさんに信頼を寄せるようになりました。

 

あの気難しくて他人を褒めるなんて滅多にしなかった祖父が、私に「あのヘルパーはよう仕事する」とか、「何も言わんでもわしが思った通りの食事を用意してくれる」など、気に入っていることがよくわかる話をしたので、本当に驚きました。

 

これはヘルパーさんのお力のおかげだと思っています。

タイミングもあって解決した

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ただ以前のヘルパーさんが力不足だった、という訳ではありません。

 

祖父は12月下旬に入院し、1月に入ってからも体調を崩し、2月には主治医の先生に「覚悟して下さい」と言われるほど危険な状態になりました。それから寝たきりになり、ヘルパーさんなしでは生活できない状態になったのです。

 

身体が弱れば心も弱りますし、ベッドから自力で動けない状態になれば意地を張ることも続かないでしょう。なのでこの件は、タイミングもあって解決したのだと思っています。

薬剤師の場合の解決方法

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上でご紹介したように合鍵を置いたことで、祖父が鍵をかけて薬剤師の訪問を拒否することはできなくなりました。

 

でもそれで祖父が薬代の支払いを拒否することまでは防げません。祖父に話はしたものの「薬代は支払いたくない!」という意志は変わらず、私はとりあえず謝罪と支払いのために薬局に向かいました。

薬代の支払いを銀行振込にしてくれた

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事情を説明し、私が毎月薬局に支払いに来るという方法がとれないか相談したところ、なんと「支払いは銀行振込でOK」と言われびっくり。

 

私は調剤薬局に事務として勤めていたことがあるのですが、まさか処方薬でそんな支払い方法があるなんて思いもしませんでした。

 

銀行振込なら私の自宅の近所で済ませられるので、非常に助かります。薬剤師には今まで通り祖父の自宅に薬を届けてもらい、支払いに関する話はしないことに決まりました。

 

この銀行振込がどこの薬局でもやってもらえることなのかはわかりませんが、もし祖父のように薬代の支払いを拒否することで困っているなら、1度薬局で相談してみると解決するかもしれません。

まとめ

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今回は祖父がヘルパーさんや薬剤師の訪問を拒否することについて、理由や解決した方法をご紹介しました。

 

祖父の行動は私からすると全く理解できないことでしたが、祖父には祖父なりの理由があったようです。

 

その理由を考えてみて、祖父の気持ちが全くわからないという訳ではありませんが、現実的に訪問を拒否することは困ります。ヘルパーさんや薬剤師、ケアマネージャーさんなど、多くの人に迷惑をかけてしまいますし。

 

ただ1人で問題を解決しようとあがいても結局どうにもできないという場合も多く、逆に助けを求めて相談するとあっさり解決することもあります。

 

なのでできるかどうかはひとまず置いて、困ったときは介護・医療関係者に相談することをおすすめします。