しおたまごの体験談ブログ

筆者が体験した病気や介護、日常のことなどをご紹介するブログです。

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乳がんになった母②異常に気付いてから入院~退院の実際のスケジュールを大公開!

※はじめに※

この記事を書いている私は医療関係者ではありませんし、乳がんについて専門的な知識もありません。

この記事はあくまで「乳がんになった母をもつ娘」として、毎回病院へ付き添って知ったこと、日々の母の様子を見て感じたことなどを書いています。

この記事を書こうと思ったのは、母が乳がんになったときに「○○の情報が欲しいのに、探してもない!」ともどかしい思いをしたからです。治療に役立つような専門的な情報はありませんが、私と同じような思いをしている方にわずかでもお役に立てれば幸いです。

 

ちなみに今回は母の右胸の異常に気付いて病院へ行き、乳がんの可能性が高いとわかってからの実際の日程について書きたいと思います。

 

理由はその時「これから一体どんな日程で、どんなことをするの?」と不安で調べてみたのですが、専門用語が多く、実際の日程がわからなくて困ったからです。

 

もちろんいつどんなことをするのかは、人によって、あるいは病院によっても変わってくると思います。なので今回ご紹介するのは、あくまで母の場合の日程とご理解頂いたうえでお読みください。

母の右胸の異常に気付いてから、入院~退院するまでの日程

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今回は簡単に日付と、その日行ったこと、言われた内容などを書いています。専門用語の説明や細かな内容については、次回から書いていく予定です。

 

1月30日・・・夜、お風呂上りに母の右胸の異常が判明

→「乳がんかもしれない」と思う。

 

2月3日・・・乳腺外科で検索して出てきたクリニックへ。

→先生は男性で、マンモグラフィ、超音波検査(エコー)、触診を行い、その後の診察で「5段階中の5、ほぼ100%乳がんです」と言われる。この日に細胞を摂って検査に出す。結果は1週間後と言われる。

 

2月10日・・・朝の10時くらいにクリニックから「検査結果が出た」と連絡。

→タクシーを飛ばして行くと、「乳がんです」と告げられる。この日に「骨や臓器に転移がないか調べる必要がある」と言われ、別の総合病院で検査を受けるため12日と13日に予約をとってくれる。その結果は17日のクリニックの診察で伝えると言われる。

 

2月12日・・・検査のため総合病院へ。

→14時からMRI。造影剤を入れる検査のため、お昼ご飯は抜き。

 

2月13日・・・検査のため総合病院へ。

→朝ごはんを抜くように指示がある。9時に骨シンチの検査のための注射を受け、9時40分からCT検査。13時から骨シンチの検査を受ける。

 

2月17日・・・検査結果を聞きに、午前中にクリニックへ。

→「骨や臓器に転移はない」と告げられる。この時点で「ステージⅡb」、脇の下のリンパ節に転移があると言われ、乳がんの種類は「ルミナールBタイプ」と告げられる。

がんが乳管内に広がっているため、「右の乳房を全部とる必要があるだろう」と言われ、手術後の抗がん剤治療や放射線治療、ホルモン療法などについても説明を受ける。今日以降の治療などは全て大学病院で受けることになり、次の日に予約をとってくれる。

 

2月18日・・・大学病院の乳腺外科へ。

→先生は女性で、クリニックで受けた超音波検査(エコー)や触診、さらにまた細胞をとる。「ダブルチェックのためです」と言われる。この日に「手術をします」と告げられ、禁煙するように言われる。25日に検査結果を聞きに来るようにとのこと。

 

2月25日・・・検査結果を聞きに大学病院へ。

→クリニックと同じ結果で、「ステージⅡb」、脇の下のリンパ節に転移があると言われ、乳がんの種類は「ルミナールBタイプ」と告げられる。この日に手術は「3月5日か19日」と言われ、その前に「血糖値が高いから、手術前後に血糖コントロールが必要」と言われ、27日に糖尿病・内分泌科で診てもらうことになる。

 

2月27日・・・糖尿病・内分泌科と乳腺外科へ。

→糖尿病専門の女性の先生の診察を受け、飲み薬の量が増えることになる。さらに3月12日に栄養指導を受けることになる。入院が3月17日、手術が19日に決まる。右の乳房は全部摘出、脇のリンパもとる手術で、2時間30分から3時間くらいの手術になると聞く。入院期間は10日から14日くらいで、手術後はホルモン療法は必ず、それ以外は手術の結果次第と言われる。

 

3月12日・・・栄養指導と乳腺外科へ。

→個室で普段の食事などについて何枚かある問診票を書いた後、女性栄養士の方から食事で気をつけることなどについて指導を受ける。

 

3月17日・・・入院

→9時30分にタクシーを予約し、入院手続きの後に病室へ行く。入院中の生活についての問診票を書き、手術の説明を受けて同意書などを記入。荷物の整理が終わると、私は帰宅。

 

3月19日・・・手術

→手術時間は2時間30分から3時間と聞いていたけれど、実際は5時間くらいかかっていた。術後に母の顔を少し見ることができ、その場で先生から説明を受ける。思ったよりリンパへの転移がひどく、抗がん剤治療と放射線治療が必要になると思うと告げられる。

 

4月1日・・・ドレーンがとれる

→母から電話で「やっとドレーンがとれた」と連絡を貰う。これがとれるまで退院できないと聞いていたので、退院はもうすぐだとわかる。

 

4月2日・・・退院が明日と決まる

→母から退院許可を貰ったと連絡を受ける。

 

4月3日・・・退院

→退院は9時30分までにと決まっているので、8時30分頃には病院へ行く。先月分の入院費を支払い、今月分は計算がまだなので後日になる。大量の荷物を持ってタクシーで帰宅。

初めてクリニックへ行ってから怒涛の日々だった!

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2月3日に初めてクリニックへ行ってから、受けたことのない検査の連続。さらにとんでもなく待ち時間の長い大学病院にしょっちゅう行くことになり、母は当然ですが付き添いである私も正直ヘトヘトの日々でした。

 

そのうえ今回は書いていませんが、母は糖尿病のため別の総合病院を1回受診、さらに耳鼻咽喉科と眼科も受診。しかも異常に気付く半年以上前とはいえ引っ越した関係で、元の病院から自宅近くの病院を紹介して貰ったところだったため、3か所とも初診でかなり時間がかかって大変でした。

 

疲れやストレスから母が体調を崩して寝込む日もあり、他にも入院に必要なものを揃えたりと、病院へ行っていない日々もなにかと忙しかったのを覚えています。

 

ただ例えは悪いかもしれませんが、乳がんとわかった瞬間にベルトコンベアに乗せられたような感じで、あっという間に入院、手術、そして退院という感じでした。

 

体力的にも気持ち的にも余裕はなかったのですが、今振り返ってみるとそれが良かったのかなと思います。

 

人によっては検査や手術まで、もっともっと時間がかかる場合もあるようですし、もしそうなっていたら悩みすぎてノイローゼになっていたかもしれませんし。まぁなんの知識も力もない私が悩んだところで、なんの役にも立たないのですが。

 

とにかくあくまで私の感覚ですが、初めてクリニックへ行ってから入院して手術を受け、退院するまで、かなり早くスムーズにいったと思っています。これは母の検査や手術などに関わった全ての方のおかげだと、本当に感謝しています。

 

ちなみに早くして貰うために私がしたことと言えば、検査や診察の予約を入れるため予定を聞かれた時に、「いつでも大丈夫です」と答えたことくらいです。そう答えるとクリニックでも大学病院でも、最短で予約を入れて貰えました。

 

もちろんなんでも早くして貰った方がいい、という訳じゃないと思いますが、人によっては手術まで何か月もかかる、という場合もあるようですし、もしそうなっていたら不安になったり、悩んだりする時間も増えていただろうと思うので、早くして頂いてよかったと思っています。

まとめ

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今回は母の右胸の異常に気付いてから、入院~退院までの実際の日程についてご紹介しました。

 

もし「乳がんかもしれない」と思って病院に行ってから、「どんな日程でどんなことをするの?」と不安に思っている方や、知りたいと思っている方の参考になれば幸いです。

 

ただ今回ご紹介したのはあくまで母の場合で、誰でもこの日程で同じ内容のことをする、という訳ではないので、そこだけは誤解のないようにお願いします。

※ちなみに次の記事はこちら↓

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乳がんになった母①抗がん剤治療で役立った身体のケア用品

※はじめに※

この記事を書いている私は医療関係者ではありませんし、乳がんについて専門的な知識もありません。

この記事はあくまで「乳がんになった母をもつ娘」として、病院への付き添いなどで知ったこと、日々の母の様子を見て感じたことなどを書いています。

この記事を書こうと思ったのは、母が乳がんになったときに「○○の情報が欲しいのに、探してもない!」ともどかしい思いをしたからです。治療に役立つような専門的な情報はありませんが、私と同じような思いをしている方にわずかでもお役に立てれば幸いです。

 

今回は抗がん剤治療中に母が実際に使用していた、身体のケア用品をご紹介します。抗がん剤治療中は、髪が抜ける、爪が黒くなるなどの副作用が起きます。

 

このことは治療前に先生から説明を受けたのですが、ケア用品まで教えてくれる訳ではありません。

 

できれば治療前に準備しておくと安心なケア用品もあるので、ぜひ参考にして頂ければと思います。

おすすめ商品①抗がん剤治療中に実際に使ったシャンプー

まずは抗がん剤治療中に、母が実際に使用していたシャンプーをご紹介します。

抗がん剤治療を受けることになり、先生から副作用で髪が抜けると聞く。

どんな風に髪が抜けるのか、なにかできることはないのか気になりネットで検索。

病院のHP以外にも、実際に抗がん剤治療を受けた方の体験談が出てくる。

抗がん剤治療中に髪のケアをしていないと、薬が抜けて生えてきた髪がチリチリになったという内容が気になる。

抗がん剤治療中に使える専用のシャンプーがないか、ネットで検索。

抗がん剤治療後の育毛を考えたシャンプーを発見、注文して治療開始前に届く。

<購入の理由・決め手>

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抗がん剤治療後の育毛を考えたシャンプー、と書かれていて目的に合っている。

 

泡で出てくるので母が使いやすい。

 

弱酸性、無添加、低刺激、保湿成分配合などが、髪が抜けて弱った頭皮にぴったり。

 

★1番の決め手★

母が実際に抗がん剤治療を受ける、大学病院の通院治療室の前にこのシャンプーのパンフレットが置いてあったから。病院の売店でも購入できると書いてあり、信用できると思った。

<おすすめポイント>

①低刺激

→脱毛中に母がこのシャンプーを使用しているときに、ところどころ地肌が見えている頭皮への刺激が心配で「シャンプー使ってみて痛くない?」と質問。答えは「全然刺激がない」

(母が間違えて私のシャンプーを使ってしまったとき「頭がピリピリする」と言っていたため、違いがはっきりとわかった)

 

②使いやすい

→抗がん剤治療でしんどくて、シャンプーを泡立てる力もない70代前半の母でも「泡だからすぐに洗えて、流すのも楽」だと言っていた。

 

③汚れがよく落ちる

母は頭がかゆいとかきむしってしまうので、低刺激のシャンプーにどれだけ洗浄力があるか心配だった。でも母が「汚れがよく落ちる、頭が全然かゆくない」と言ったので、安心した。

 

④長持ちする

母も私も1番驚いたのが、1本で1年ほどもったこと。すぐになくなると思って2本まとめて購入したのに、髪が生えてからもまだこのシャンプーを使っているほど長持ちしている。

<マイナスポイント>

①値段が安いとは言えない、かもしれない

母の場合は1本で1年ほどもったものの、一般的には2~3か月使用できるもので、お値段は2500円~3000円前後。母のように長くもたない場合は、値段が高いと感じる方がいるかもしれない。

<最後に>

母は5月12日から抗がん剤治療を始めて、25日頃から髪が抜け始めました。治療を終え、髪が元通り生えそろうまで1年近くかかりましたが、生えてきた髪はチリチリだったり、変なうねりがあったり、なんてことはなく、とても綺麗な状態です。

 

母は70代前半と高齢なこともあり、髪が生えてこないかもしれない、生えてもひどい状態かもしれない、など色々心配していましたが、今ではボリュームもあり、ツヤまである髪が生えそろいました。髪が抜けてショックを受けていた母も、生えてきた髪の状態を見て本当に喜んでいます。

 

もちろん効果は人によって違うでしょうし、合う、合わないがあると思いますが、抗がん剤治療で髪が抜ける時期に使用するシャンプーをお探しの方は、1度検討してみてはいかがでしょうか?

おすすめ商品②外出時に便利なぼうし

次に通院するときなど、母が外出する際に実際に使用していた帽子をご紹介します。

<購入するまでの経緯>

抗がん剤治療の副作用で先生から髪が抜けると聞く

通院など外出するときに周囲の目が気になるだろうと思い、なにかいいアイテムがないかネットで検索

抗がん剤帽子と書いてある帽子を発見

母に相談して購入を決める

<購入の理由・決め手>

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抗がん剤帽子と書かれていて、専用のものなら安心できると思った。

 

綿100%、ムレなどの不快感がないと表示があり、肌が敏感でムレやすい母にぴったり。

 

シンプルで使いやすそうだし、色の種類も豊富。

 

★1番の決め手★

医療機関内のコンビニ/売店でも販売されていると書いてあったことと、母と同じ腫瘍・血液内科の患者さんが同じ帽子をかぶっているのを見て、安心だと思った。

<おすすめポイント>

①使いやすい

薄くて伸びる生地だから、かぶるのも脱ぐのもサッとできる。でもしっかり頭にフィットするから、風で飛ばされたりしない。洗うのも簡単ですぐに乾く。

 

②肌にストレスがない

綿100%だからか、触り心地がサラッとしている。

湿度が高い時期や暑い時期は特に頭がかゆくなりやすい母が、この帽子をかぶっていても「ムレない、かゆくない」と言っていた。

 

③髪が飛び散らない

抜ける髪の量が多い時期は寝るときや、日中自宅にいるときもかぶっていたおかげで、床や寝具などに落ちる髪の量が少なく済んだ。

 

④色が豊富で気分転換になる

ストレスが多く、心身ともに強いダメージを受けている抗がん剤治療中でも、病院に行く前に「今日はどの色にしようかな」と帽子の色を選んでいるのが印象的だった。「選べると気分転換になる」と母が言っていた。

<マイナスポイント>

①値段が安いとは言えない、かもしれない

定番タイプで1枚2500円前後するし、洗い替えなどを考えると複数枚必要なので、安いとは言えないかもしれない。

<最後に>

母の場合は、定番タイプを5枚購入しました。けして安いとは言えない金額ですが、この帽子をかぶっていることで、人の目が気になる脱毛期も安心して通院できたと思います。

 

ちなみに母はこの帽子をかぶった上に、お気に入りの帽子をかぶっていました。そうすると抜けた髪があちこちに落ちたりすることもないですし、オシャレも楽しめます。さらに自宅でもこの帽子をかぶっていると、床などに抜けた髪が落ちにくいので掃除も楽でした。

 

逆にこの帽子がなかったら、人目が気になって通院がさらに苦痛になっていたかもしれません。それに抜けた髪を掃除する労力もかなりかかったと思うので、それらを考えると、この金額でも十分に購入した価値があると思っています。

 

抗がん剤治療で髪が抜ける時期、あるいは髪が抜けて生えてくるまでの間に使用する帽子をお探しの方は、1度検討してみてはいかがでしょうか?

 

ちなみにぼうしは他にも種類があります。気になる方は↓こちらへどうぞ!

www.rakuten.co.jp

まとめ

今回は抗がん剤治療中に、母が実際に使っていたシャンプーと帽子をご紹介しました。母の場合抗がん剤治療は、手術を終え退院してから1か月以上経ってから開始されましたが、それでも余裕があったとは言えません。

 

抗がん剤治療で髪が抜けると聞いてもどれくらい抜けるのか、など細かいことがわからない内に安いとは言えないシャンプーや帽子を注文するのは迷いましたが、今振り返ってみると治療が始まる前に用意しておいてよかったと思っています。

 

抗がん剤治療が始まると、母が大きく体調を崩し、1度は夜遅くにタクシーを飛ばして救急に行くなど余裕のない日々でしたから。

 

なのでもし抗がん剤治療を受ける予定の方、またはそのご家族の方、あるいは既に治療中の方で使用するシャンプーや帽子をお探しの方は、今回ご紹介したシャンプーと帽子が参考になれば幸いです。

※ちなみに次の記事はこちら↓

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メニエール病体験談【仕事①】仕事は休む?辞める?

私はこれまで職場で3度、メニエール病によるめまいで倒れています。ちなみに全部違う職場です。めまいの発作が起こると、その状態で仕事をすることは正直言って無理です。

 

天井がぐるぐると回る強烈なめまいで立っているどころか、まともに座っていることさえできず、嘔吐することもあるのに、普段通り仕事をするなんてほとんどの方は無理だと思います。

 

そのうえめまいが治まっても、またいつ起こるかわかりませんし、その状態がいつまで続くのかもわかりません。

 

となると気になるのが仕事をどうするか、ですよね。仕事を休むのか、それとも辞めるのか、これは私も何度も悩み苦しんできたことです。

 

きっと私と同じように、悩んでいる人も多い問題でしょう。そこで今回はメニエール病患者の仕事について、私の体験も交えながら語りたいと思います。

メニエール病になったら仕事は休む?辞める?

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メニエール病によるめまいの発作を起こした場合、仕事を一時的に休むのか、それとも辞めるのか、迷い悩んでいる人も多いでしょう。実際私も眠れなくなるほど悩みました。

 

めまいの発作は1度起こるとそれが数時間続くこともありますし、いったん治まってもまた次の日に起こったり、数日たってから起こることもあるなど予測ができません。

 

たとえば一般的な風邪ならどんなにひどくても1週間仕事を休むというのはなかなかないと思いますが、メニエール病によるめまいの発作の場合は、たとえ1週間休んでも仕事に復帰できる状態に戻るかはわかりません。

 

つまりいつまで休めばいいか、いつから元通り仕事に復帰できるのか本人にもわからない訳です。ちなみにこれは専門家、つまり医者に聞いてもわかりません。私は実際先生に聞きましたが、それはわからないと言われました。

 

最初はその答えを聞いて失礼ながら「え!医者なのにわからないの?」と思ってしまったのですが、よく考えてみれば当然だなと納得しました。

 

だって同じメニエール病でも人によって症状の程度などは違う訳ですし、いつめまいの発作が起きるのか、それがいつまでに完全に治まるのかなんて、預言者じゃあるまいし、いくら医者だってわかる訳がありません。

職業によって判断基準が違うはず

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またどういった状態になれば仕事に復帰できるのかは、職業によっても判断基準が違うはずです。

 

たとえば自宅で座ったまま自分のペースでできる職業なら、多少めまいが起きる可能性が残っていても仕事を再開できるかと思います。

 

でも高いところなど危険な場所で長時間作業する職業の場合、仕事中にめまいが起きれば命を落とす可能性もあるので、完全に治まるまで復帰できない、といった判断になることもあるでしょう。

 

そもそも置かれている環境も人によって違うので、仕事は一時的に休むべき、あるいは辞めるべきなど、一概には言えません。

 

たとえば仕事をしなければ生活できない、という状況で、メニエール病だから仕事を辞めるべき、と言われても困りますよね。

 

つまり仕事を一時的に休むのか、辞めるのかは、人それぞれということです。

 

答えになっていない、と言われるかもしれませんが、この問題は主治医に相談し、職場や家族とよく話し合い、最後は自分で決める、というのが答えかなと私は思います。

主治医に仕事をどうするべきか聞いてみた!

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私は1度目と2度目にめまいで倒れたとき、仕事を一時的に休むのか、それとも辞めるのか悩み、どうするべきか主治医に相談しました。

 

先生の答えは「メニエール病はストレスが関係しているから、仕事がストレスになっているなら、仕事を辞めればよくなるかもしれない」というものでした。

 

これはあくまでアドバイスという感じで、「仕事は辞めるべき!」と強く言われた訳ではありません。

 

ただもし私と同じようにメニエール病で仕事をどうするか迷っているなら、仕事が強いストレスになっているのかどうか、1度考えてみることをおすすめします。

私の場合

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上で結論を長々と書いてしまいましたが、ここからは実際私はどうしたかを、3つの職場に分けてご紹介します。ちなみにこの3つの職場は、どれも私がめまいの発作を起こし倒れた職場です。

 

メニエール病で仕事を一時的に休むのか、辞めるのか、悩んでいる人は参考にして頂ければと思います。

100円ショップの場合

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結論から言うと、私はめまいで倒れた後仕事に復帰してから1年も経たないうちに、この職場を退職しました。

 

退職することになった1番の理由は、この職場で倒れた時期が近づいた頃、同じように強烈なめまいに襲われ、仕事ができる状態ではなくなったからです。

 

自分としては仕事を続けたかったのですが、このときは病名がわかっていなかったこともあり、上司や同僚の理解を得ることはできませんでした。

 

そんな状況で「いつ復帰できるのかわからないけれど、それまで休みをください」なんて言える訳もありません。

 

というか、普通そんな自分勝手な要求は通らないですよね。そういった理由で、私はこの職場を辞める選択をしました。

私が100円ショップで倒れたことについては、↓こちらで詳しくご紹介しています。

 

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古本屋の場合

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結論から言うと、私は古本屋を辞めていません。

 

この職場で倒れたとき私は店長に総合病院まで運ばれ、そこの耳鼻咽喉科で「メニエール病」と診断されました。

 

病院に運ばれたときの私は自分で歩くこともできず、まともに話すこともできないという、ひどい状態でした。

そのときの話が気になる方は、↓こちらをどうぞ。

 

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店長はそんなひどい状態の私を見ていますし、仕事中に病院までスタッフを運ぶなんてことをやらされた訳ですから、「こんなことは2度とごめんだ!」と思うのが普通でしょう。

 

私もいつ仕事に復帰できるのか、100円ショップのとき以上に想像がつかなかったので「退職したい」と伝えました。それはすぐに受け入れられると思っていたのですが、なんと店長は「とりあえず3か月休んで」と言ったのです。

 

しかも「その後のことはそのときに考えよう」と言われました。私は社員ではなくアルバイトでしたし、特別仕事ができるとか、そういったこともなかったのでものすごく驚きました。今思い出しても、あり得ないほど優しすぎる対応だと思います。

 

そんな店長の提案を受け入れるのはかなり図々しいと思いしばらく押し問答しましたが、結局私は3か月休みをもらい、その後仕事に復帰しました。

 

私は店長に言葉で言い表せないほど感謝していましたし、本が好きなのでそれに関わる仕事ができることが嬉しくて、正直ずっと続けたいと思っていました。

 

ただ残念ながら私が働いていた古本屋は閉店することになり、同じ場所、同じスタッフで新刊書店に変わってしまいました。

 

そうなる前に店長は退職、新刊書店ではシフトが短すぎるなどの問題があり、めまいとは関係なく私は退職しました。

調剤薬局の場合

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結論から言うと、私はこの職場を1年ほどで辞めました。

 

調剤薬局は静かで座ったまま仕事ができて、あまり動き回らなくていい職場だと勝手なイメージを抱いていた私。事務職は初めてでしたが社員として働けることもあり、今度こそめまいで倒れたりせずに長く働きたいと思っていました。

 

ところが実際の職場は私のイメージとは全く違い、立ったり座ったり、狭い場所で後ろを向いてまたすぐ前を向く、つまりくるくると回転する動きが多い職場でした。

 

実はそのくるくると回転する動きは、私がめまいを起こしやすい動作なんです。案の定私は体調を崩しやすい梅雨の時期に、強烈なめまいを起こしてしまいました。

 

そのときは倒れるまではいかなかったのですが、1週間休みをもらい、次の1週間は午前中だけ出勤、その後通常勤務に戻ることになりました。

 

この時点ではまだめまいは治まっていなかったのですが、事務が私を含めて2人しかいなかったのでこれ以上休むことはできませんでした。

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処方薬を服用しながらなんとか復帰したものの、まるでゾンビのようにフラフラの状態でスローな動きしかできず……。患者さん相手の仕事なのに、どっちが患者かわからないような状態でした。

 

勤務時間が長かったこともあり、気力で乗り切るというのも無理で。もう限界だと諦め、社長に退職させて欲しいと伝えたものの、人手不足を理由になかなか受け入れてもらえませんでした。

 

それからも何度かめまいで1日休み、復帰してまた休み、という状態を繰り返し、そのたびに退職したいと伝えても返ってくるのは「考え直して欲しい」という答え。

 

でもある日勤務を終えた私が、2階の事務所のロッカーの前で倒れているのを社長が発見し、事態は一変しました。

 

恐らく患者さんがいるときに、薬局内で倒れられたら困ると思ったのでしょう。社長はやっと私の退職を受け入れてくれたのです。

 

ちなみに調剤薬局で倒れたときのことは、↓こちらで詳しくご紹介しています。

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現在の私の仕事は?

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ここまでご紹介した通り、私は古本屋以外の2つの職場でメニエール病を理由に「仕事を辞める」という選択をしました。

 

まぁ実際には一時的に休んだもののまためまいが再発、あるいは治まらなかったため仕事を辞めるしかなかった、というのが本当のところですが。

 

ただこれは私の選択であり、この「仕事を辞める」という選択が誰にとっても正しいとは言いません。それだけは誤解しないでくださいね。

 

ちなみに現在の私の仕事はというと、プロフィールにもある通り在宅ワークをしています。具体的に言うと、クラウドワークスに登録し主にライターの仕事をしています。

 

在宅ワークなら自宅で仕事をする訳ですから、もしめまいの発作が起こっても倒れたりしにくいですし、それで他人に迷惑をかけることもほぼありません。めまいが起こりやすい時期は仕事をセーブするなど、体調に合わせることもできます。

 

ただ収入が少ない、安定しないなどの問題がありますが、これは私の努力不足ですからこれから改善していきたいと思っています。

 

在宅ワークは正直、誰にでもおすすめできる仕事とは言えません。ただ私と同じメニエール病によるめまいで外で働くのが難しいという人は、選択肢のひとつとして考えてみるのもいいかなと思います。

まとめ

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今回はメニエール病によるめまいの発作が起こった場合、仕事を一時的に休むのか、それとも辞めるのかについて、私の体験談も交えてご紹介しました。

 

仕事を一時的に休むのか、それとも辞めるのかという問題の答えは、人によって違います。

 

休みたい、辞めたいと思っても生活のために続けるしかない人もいるでしょうし、逆に仕事を続けたくても体がついていかない、あるいは上司や同僚がそれを許さないという場合もあるでしょう。

 

ちなみに私は少なくとも3つの職場で、メニエール病について上司や同僚の理解を得ようと話をしましたが、どの職場でも理解を得ることはできませんでした。

 

冷たい態度にキツイ言葉を浴びせられることもよくあり、それが辛かったことも仕事を辞めた理由のひとつと言えます。

 

もちろんどの職場でもそういった対応をとられる、とは言いませんが、病気のことを相手に100%理解してもらえると期待しない方がいいです。

 

メニエール病は命にかかわる病気ではありませんが、たとえばめまいで倒れたときに頭を打って大怪我を負う、あるいは命を落とす、といった可能性がないとは言えません。

 

ですから仕事を一時的に休むのか、辞めるのかを決めるとき、自分の体や命のことを第一に考えることを忘れないでくださいね。

※ちなみに次の記事はこちら↓

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メニエール病③3度目にめまいで倒れた調剤薬局での体験談

今回は私が調剤薬局で事務として働いていたときに、倒れてしまった体験談をご紹介します。私が職場で倒れたのは、これで3度目。

 

1度目はメニエール病①、2度目はメニエール病②でご紹介しているので、こちらも興味をもったという方はぜひ読んで頂けたらと思います。

3度目:イメージと違う仕事でダウン!めまいを起こす

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ご存知の方も多いと思いますが、調剤薬局とは病院でもらってきた処方箋を渡して、薬剤師から薬を受け取るところです。

 

私は事務だったので、主に患者さんから処方箋を受け取ってパソコンで入力したり、会計をしたり、といった仕事をしていました。

 

この仕事を選んだのは、静かな環境で座って仕事ができて、あまり動き回らなくていい職場だと思ったからです。

 

1度目と2度目に倒れた職場は慌ただしく動き回ることが多く、音楽や人の話し声などで騒々しかったので、そういった職場を避ければめまいで倒れるようなことはないだろう、と思ったんです。(まぁ自宅から徒歩10分程度のところにある、というのも理由のひとつだったんですが)

めまいを起こしやすい動きが続く仕事だった!

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ところが私が働いた調剤薬局はかなり忙しいところだったようで、ほぼずっと椅子に座って静かにパソコンに向かっている、なんてことはありませんでした。

 

患者さんが来ると処方箋を受け取るのに立ち上がり、くるりと回転して背後にあるカルテを取り、また回転してパソコンに向かい、その間にまた患者さんが来るので立ち上がって処方箋を受け取り、必要なものが印刷できたら薬剤師に渡す、みたいな感じで。

 

立ったり座ったり、さらに何度もくるっと体の向きを変える、という状態が延々続く、という職場だったんです。

 

私の場合特に何度もくるっと体の向きを変える、という動きがダメで。恐らく三半規管が弱いからだと思うのですが、私にとっては遊園地のコーヒーカップでくるくる回されているようなものでした。

 

結局私は体調を崩しやすい梅雨の時期に、強烈なめまいに襲われ仕事に行ける状態ではなくなりました。

とりあえず1週間休ませてもらうことに……

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強烈なめまいを起こしてからいつもの耳鼻咽喉科に行き、2日ほど休みましたがそれで回復するはずもなく。

 

これまでの経験から少なくとも1週間は回復しないことがわかっていましたし、毎日朝に「休ませてください」と連絡するのも精神的に苦痛だったので、とりあえず1週間休みをもらうことにしました。

 

ただ事務は私を含めて2人しかいなかったこともあり、社長はなかなかOKしてくれませんでした。

 

社長は薬剤師ではないものの調剤薬局に勤めている医療関係者ですから、今までの職場よりメニエール病に理解があると思っていたのですが、それは私の勝手な思い込みだったようです。

まだ回復していないけれど仕事に戻るしかなく…

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1週間休みをもらっている間、私は病院に行く以外基本的にベッドの上で過ごしました。天井がぐるぐると回るようなひどいめまいで、椅子に座っていることも難しい状態だったからです。

 

そのひどい状態は1週間経つとだいぶマシになっていたものの、まだ元通り仕事に復帰できるという状態までは回復しませんでした。

 

そのため本当はもう1週間休みをもらいたかったのですが、やはり事務が1人という状況は厳しいと言われ……。

 

めまいは治まっていないものの、仕事に復帰して1週間は午後1時まで時間を短縮して出勤するということになりました。

職場に復帰したもののまるでゾンビのよう

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不安を残したまま仕事に復帰した私は、まず1週間は午前8時30分から午後1時まで勤務することになりました。

 

「短時間だからなんとかなる!」と必死に自分に言い聞かせ、途中で処方薬を飲んだりしながら勤務したのですが、やはりめまいが治まっていない状態で仕事をするのは、かなり辛かったです。

 

事務は患者さんが自動ドアから入ってくるたび椅子から立ち上がるのですが、その動作だけでめまいがするという状態で。

 

さらに背後にあるカルテを取るために後ろを向くとまためまいがする、椅子に座って入力するために振り向くとまためまい、その繰り返しで。

 

めまいが続くと吐き気もしますし、平衡感覚が狂うというか、まっすぐ立っていることも難しくなり、さらに普通のスピードで動くことすら厳しくなってきます。

 

自分では普通のスピードで動いているつもりでも、どんどん動きがスローになっていったようで、患者さんの対応に間に合わない、という状況に。

 

それでも事務がもう1人いたのでどうにか回っていましたが、「まるでゾンビみたい」と言われてしまう始末。

 

午後1時に仕事を終え自宅に帰るとベッドに倒れ込む、というのを繰り返し、どうにかその週は乗り切りました。

私にとっての長時間勤務を乗り切るのが厳しかった

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次の週から私は通常の勤務に戻りました。ただめまいが治まった訳ではなかったので、勤務時間が長くなるのは辛かったです。

 

私が勤めていた調剤薬局の営業時間は、午前9時から午後1時、午後3時から7時でした。ちなみに勤務時間は午前8時30分から午後1時30分、午後3時から7時30分となっていたんですが、実際は午後1時になっても患者さんが途切れないため、いったん閉めることができず。

 

そのまま3時を過ぎてしまい、7時になってもまだ患者さんがいて結局9時を過ぎて薬局を閉める、といったことがしょっちゅうでした。しかも休憩時間は勤務時間が伸びても1時間のみ。

 

木曜と土曜は午後1時で営業は終了のはずでしたが、5時を過ぎてやっと閉められるということも珍しくなく。しかも休憩時間はありませんでした。

 

もちろん世の中にはもっともっと勤務時間が長く、休憩時間もまともにとれずに働いている方は少なくないと思いますが、私はそれまで午前9時から午後5時までといった勤務が多く、しかもめまいが治まっていない状態でこの長時間勤務はかなり負担でした。

事務所で倒れてしまう

 

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それでも処方薬を飲みつつ、ゾンビのようなスローな動きでどうにか仕事をしていましたが、それをずっと続けられる訳もなく。

 

1~2日休んでは復帰する、という状態になり、ついに勤務時間中患者さんのカルテを取ろうとしゃがんだところで動けなくなってしまいました。

 

時刻は午後1時前。その日は木曜日で、基本の営業時間は午後1時まで。でも患者さんはたくさんいてまだまだ終わりそうにありませんでした。でも社長が「あがっていいよ」と言ってくれたので、私はどうにか2階の事務所に上がりました。

 

あとはもう白衣を脱いでロッカーに入れてある荷物を取って自宅に帰るだけ、だったんですが、事務所に上がって1人になったことでホッとしたのか、私はロッカーの前で崩れ落ちるように倒れてしまいました。

 

意識ははっきりしていましたし、体を動かせない訳じゃなかったのですが、これまでの経験から今起き上がっても激しいめまいに苦しむだけ、とわかっていたのでしばらく横になったまま休むことにしました。

 

ちなみに床に倒れていた私を最初に発見したのは、社長でした。社長は最初「え!?」とびっくりした声をあげ、その後「大丈夫?」と私に尋ねました。

 

倒れて動けない訳ですから正直「大丈夫」という状態ではなかったのですが、まだ患者さんがいることが分かっていたので「大丈夫じゃない」なんて言えません。

 

仕方なく「大丈夫です」と言うと、社長は倒れている私をまたいで奥にある部屋に行き、書類らしきものを手に取ってまた1階に戻っていきました。

 

結局私は、午後3時頃に仕事を終えた薬剤師が数人2階に上がってくるまで床に倒れたままでした。

 

つまり2時間ほど床に倒れたままだった訳です。その頃にはどうにか体を起こせるようになっていたので、私は徒歩で自宅に帰りました。

まとめ

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今回は私が調剤薬局に勤めていたときに倒れた体験談について、ご紹介しました。私にとって職場で倒れたのはこれが3度目。

 

1度目のときも、2度目のときも、もう2度と職場で倒れたくないと思い、特にこの調剤薬局では社員として働けるということもあり、長く働きたい!と思っていたのですが……。残念ながら1年ほどで辞めることになりました。

 

この記事で、私が「3つの職場で1度ずつ倒れてしまう」という体験談は終わりです。

 

私と同じメニエール病の人はもちろん、メニエール病になるとどんな感じ?めまいで倒れることがあるってホント?など、メニエール病について知りたいと思っている人の参考になれば幸いです。

 

↓ちなみに1回目、100円ショップで倒れたときの体験談はこちら。

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↓ちなみに2回目、100円ショップで倒れたときの体験談はこちら。

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メニエール病②再び職場でめまいを起こし倒れる!息ができなくて死ぬかと思った体験談

今回はメニエール病①の続きで、私が再び職場でめまいを起こし倒れた体験談をご紹介します。

 

この2度目に倒れたときのことは、1番強く記憶に残っています。なにしろ倒れたときめまいだけでなく、息ができなくなり死ぬかと思う体験をしたので。

 

その後の通院期間も長く憂鬱な毎日だったと、今でも思い出すことがあるくらいです。一体どんなことが起こったの?と気になった人は、ぜひ読んで頂けたら嬉しいです。

 2度目:古本屋で倒れる!

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私が再びめまいを起こし倒れたのは、21~22歳頃。古本屋に勤めているときでした。「本を売るなら~♪」で有名なあの古本屋です。

 

私が強いめまいに襲われたのは開店直後、そのとき店内のスタッフは私と店長の2人だけでした。私は仕事を店長に任せ、フラフラの状態でバックヤードに向かいそこで倒れました。

 

電気をつける余裕もなかったので、薄暗い部屋の冷たい床の上に、うつ伏せの状態で転がったのを覚えています。スタッフ用の小さな冷蔵庫と、休憩のときに使う机、椅子に挟まれるような位置でした。

 

床は普段土足で歩いているので汚れていて、ほこりっぽく、普段ならそこに横たわるなんて考えられませんが、そのときは身動きがとれない状態だったのでどうしようもありませんでした。

 

店内には既にお客様が来店されており、通常のレジと買取カウンター、電話、店内のお客様からの問い合わせ対応、買い取った本やCDなどの加工、といった多くの仕事を店長1人で回さなければならず、私のことまで手が回らない状況。

 

私も起き上がることができなかったので、たとえば母に電話するなど助けを求めることができる状態ではありませんでした。結局あと2人スタッフが来るまでの約2時間、私は床に転がったままでした。

息ができない!もしかしてこのまま死ぬの?

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約2時間後に2人のスタッフが来ることはわかっていましたが、私は最初からそれまで待つつもりだった訳ではありません。自力で動けるようになったら、早退しようと思っていました。

 

店長1人残して早退するのは気が引けましたが、仕事ができるような状態ではなかったですし、それならさっさと帰った方がマシだと思いました。いつまでも床に転がっていたら、後から来るスタッフにまで迷惑をかけてしまいますし。

 

なので私は床に転がってからしばらくは目を閉じ、世界がぐるぐる回るような強烈なめまいが治まるのを待っていました。その間私の耳には、体の横の冷蔵庫から聞こえるブーンという音、ドアの向こうで店内を歩くお客様の足音などが届いていました。

 

このときの私はまだ倒れて動けなくなってしまうほどのめまいが、メニエール病の症状だとは知りませんでした。メニエール病①でご紹介したように、病院に通っても原因がわからなかったので、なぜ自分がこんな状態になっているのか理解していなかったのです。

 

そのせいなのか、私は不安で不安でたまりませんでした。薄暗い部屋で冷たい床に転がっていたことも関係していたのでしょう。私の頭の中は「暗い、冷たい、寒い、吐きそう、苦しい」などでいっぱいでした。

 

それからしばらくして、私は別の恐怖に襲われました。息ができないのです。最初は苦しいと感じたものの理由がわからず、それから唐突に「息ができない!」とパニックになりました。

 

自分では必死で呼吸をしているつもりなのですが、なぜか息ができないのです。それはものすごい恐怖でした。

 

なぜ私がそんな恐怖を感じたのかというと、息ができない=死ぬと思ったからです。あのときの私は、このままじゃ自分が本気で死ぬと思ったんです。

助けを呼ぼうとしたら声が出ない

だから私はなりふり構っていられないと、声を出して助けを呼ぼうとしました。ドアの向こうは店内で、たとえ目の前にお客様がいなくても、声を出せば誰か気づいてくれるだろうと思いました。

 

どうせ助けを呼ぶならもっと早く呼べばいいのに、それまで私は「床に転がって動けないなんて恥ずかしい」と思い、助けを呼ぶことを選択肢に入れていませんでした。でも息ができない状態になり、「恥ずかしいなんて言っていられない!」と助けを呼ぶことにしたんです。

 

でもいざ助けを呼ぼうとすると、声が出ませんでした。唇がしびれて動かないんです。理由が全くわからないのでもう頭は大パニックでした。

 

おまけに手足もしびれて動かないことに気づき、更にパニックになりました。全て生まれて初めての経験で、頭はもう真っ白。「このまま私は死ぬんだ!」と本気で思いました。

息ができなくなった理由は?

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すぐにわかった人も多いと思いますが、私が息ができなくなった理由は「過呼吸」です。パニックを起こして呼吸が激しくなりすぎたから、「息ができない!」なんて状態になっていた訳です。

 

今思い出すとめっちゃ恥ずかしいですし、「落ち着け!」とあのときの自分にツッコミを入れてやりたくなるんですが。でも当時の私は本気で自分が死ぬと思っていたんです。

 

ちなみに唇がしびれて声が出なくなったのも、手足がしびれて動けなくなったことも、全部過呼吸のせいです。専門的なことはよくわかりませんが、血液がアルカリ性に傾くことで息苦しさや手足・唇の痺れなどの症状が起こるみたいです。

 

私が過呼吸を起こした理由は、めまいがメニエール病の症状だとわかっていなかった、過呼吸のことも知らなかった、暗い部屋の冷たい床に1人で約2時間転がっていた、などいくつかの要因が合わさってパニックになったからでしょう。

 

今は「メニエール病で死ぬことはない」とわかっているので、このときのような過呼吸を起こすことはありません。

店長の車で総合病院へ運ばれる!

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上でご紹介したように、私はめまい+過呼吸で動けない、声も出せないという状態になってしまいました。結局私は倒れてから約2時間後、2人のスタッフが来てから、店長の車で総合病院まで運ばれました。

 

店長は車までは私を横抱きにして、病院についてからは私をおんぶして受付まで走ってくれました。そのときの私は意識がもうろうとして、体も動かない、声も出ないという状態でしたが、うっすらと記憶に残っています。

 

今思い出すととてつもない迷惑をかけたこと+おんぶされて受付まで連れていかれたということで、めちゃくちゃ恥ずかしくて、穴があったら入りたいって心境です。

初めて車椅子に乗ることに

受付で店長が症状を説明した後、私は車椅子に乗せられ耳鼻科に連れて行かれました。車椅子に乗ったのもこのときが初めてで、ショックを受けたのを覚えています。

 

その後は記憶が曖昧なんですが、動けない+声も出せない状態だったので、診察はベッドに横になり、先生からの質問はまばたきするなどで答えていたと思います。

 

それから検査は受けられない状態だったので、めまい止めの点滴を打つことになりました。その前にトイレに行った方がいいと、看護師さんが車椅子を押してトイレまで連れて行ってくれたんですが、「終わったら教えて」と向こうに行ってしまいました。

 

私は動けなかったので、自分でトイレにも行けず。「こんなこともできないなんて!」と絶望に打ちひしがれました。まぁ今では「どんだけネガティブなんだ!」って笑い話になってますが。

 

この日は結局めまい止めの点滴を打って、少し落ち着いてから店長が自宅まで送ってくれました。

点滴で治るかもしれないと聞いて喜んだら?

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後日動けるようになってから、私は病院に行き検査を受けて「メニエール病」だと診断されました。それからしばらく私は仕事を休んで通院しました。

 

そのときは梅雨で、病院に行く日はいつも雨。天候もジメジメ、私もジメジメみたいな感じで、憂鬱な毎日でした。

 

そんなある日先生に「1週間くらい病院に通って毎日点滴をすれば、治る可能性が高い」と言われ、大喜びでその話に飛びつきました。とにかくなんでもいいから、早く治したかったんです。

 

その日早速点滴をすることになり、私は椅子に座って隣で準備をする看護師さんと楽しくお喋りしていました。これで治るかもしれないと思ったらもう嬉しくて嬉しくて!「笑ったのも久しぶり」というくらいで。もうめちゃくちゃテンションがあがっていました。

点滴が始まった直後に椅子から落ちる

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ところがいざ点滴が始まってすぐ、私は椅子ごとバターンッ!と倒れました。自分でも訳がわからず、でも動けない。看護師さんが慌てて先生を呼び、駆け付けた先生が倒れたままの私の腕をとって、脈やら血圧やらを調べたみたいです。

 

専門的なことはさっぱりわかりませんが、どうやら血圧が急激に下がったらしく、私はベッドに運ばれ別の点滴を受けました。

 

その間私は気を失っていたのか、眠っていたのか、とにかく目を覚ましたら先生から「点滴は体に合わないみたいなので中止しましょう」と言われ大ショック。

 

もう天国から地獄、みたいな気分でした。大げさですよね。でもそのときは本当に藁にも縋る思いだったんです。

 

それから飲み薬が処方され、症状が落ち着くまで通院しました。梅雨が明けた頃に症状が落ち着いたので、近所の耳鼻科を紹介され、今後同じ症状が出たらその病院で治療を受けることになりました。

まとめ

今回は私が2度目に古本屋で倒れた体験談をご紹介しました。今では笑い話になっている部分もあるんですが、あのときのことは強烈な記憶として残っています。

 

それだけ本気で恐怖を感じたんでしょう。なにしろ理由もわからないまま、いきなり息ができなくなったので。

 

今はそれが過呼吸だったとわかっていますし、めまいもメニエール病の症状で、それで死ぬことはないとわかっているので、あのときのようなパニックを起こすことはまずありません。

 

この経験で私は情報があるのとないのとでは、精神状態に大きな違いが出るということがわかりました。

 

もしこの記事を読んでいるあなたがめまいに悩んでいるなら、原因がわかるまで病院に通うことをおすすめします。

 

ちょっとした疑問もやはり専門の先生に聞くのが1番です。不安が解消されれば、めまい自体はすぐに改善されなくても、気持ちの面でかなり楽になりますよ。

 

↓ちなみに3回目、調剤薬局で倒れたときの体験談はこちら。

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↓ちなみに1回目、100円ショップで倒れたときの体験談はこちら。

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メニエール病①職場で初めてめまいの発作を起こし倒れた!頭の後遺症の可能性に怯えた体験談

メニエール病といえば「めまいが起きる病気」とすぐに答えられる人も多いでしょう。芸能人がメニエール病で活動を休止!など、ニュースになったこともありますよね。

 

実は私はそのメニエール病を患っている1人です。今回は私がめまいの発作を起こし、職場で倒れた体験談をご紹介します。

 

この記事でご紹介するのは初めて倒れたときのことで、実は私はあと2回職場で倒れています。そのことは今後の記事でまた書いていきたいと思っています。

 

興味を持った人、メニエール病って実際どんな感じなの?と気になっている人は、ぜひ私の体験談を読んで頂けたら嬉しいです。

1度目:100円ショップでめまいを起こし倒れる!

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私が初めてめまいの発作を起こし職場で倒れたのは、20歳前後。大手の100円ショップでアルバイトをしているときでした。

 

実は倒れる少し前から、耳の中に水が詰まっているような違和感がありました。耳の中でゴボゴボと音がして、耳鳴りや頭痛、身体のだるさも感じていました。

 

でも私は昔から体力がある方ではなく、体調を崩すことは珍しくなかったので、「いつもの体調不良かな」くらいに考えていました。

 

ところが売り場で商品を出していると、突然ぐらりと体が傾くようなめまいに襲われました。めまいなんて、そのときが初めての体験でした。

 

なんとなく「このままじゃまずい」と思い、バックヤードに避難。そこでしゃがみこんでから、動けなくなってしまいました。それを同僚に発見され、とりあえず店の外の休憩室へ行き少し休んだものの体調は回復せず、結局その日は早退。

 

次の日は休みました。でも私はいつもの体調不良だと思い込んでいたので病院には行かず、すぐに職場に復帰しました。

数日後、まためまいが起き倒れてしまう

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それから数日後また売り場で商品を出しているときに、前回とは比べ物にならないほど強いめまいに襲われました。

 

まるで世界がぐるぐる回っているような、床に立っているはずなのに足元がグニャグニャして平衡感覚がなくなるような、とにかく生まれて初めて味わう強烈なめまいでした。

 

売り場で倒れる訳にはいかないと、必死でバックヤードに向かい、私はそこで倒れました。どんな風に倒れたのか自分でもよくわかりませんが、気づけば私は床にうつ伏せに倒れていました。

 

幸いすぐに同僚が気づき、前回と同様休憩室に抱えられるようにして移動。どうにか動けるようになってから、私は早退しました。

自宅近くの総合病院を受診!

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できるだけ病院へは行きたくなかったのですが、さすがにおかしいと思い、後日私は自宅近くの総合病院に向かいました。何科を受診すればいいのか全く見当もつかなかったので、私は受付で症状を説明。

 

すると脳神経外科へ案内されました。実はこの病院の脳神経外科は、私が小学2年生のときに受診したところでした。

頭の内出血で受診したことがある科だった

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当時私は近所の道場で剣道を習っており、ある日入って間もない年下の男の子2人の面打ちの練習に付き合うことになりました。基本もなっていない彼らは、悪気もなく力任せに竹刀を振るいます。

 

しかもなぜか2人とも打つ場所が同じでした。そのせいなのか、練習が終わって夜に鏡を見てみると頭頂部にたんこぶができていました。

 

鈍い痛みはあったものの、私も母も重く考えず、「たんこぶだからとりあえず冷やしとけばいい」とアイスノンで冷やし、翌日普通に登校。何時間目かの授業中に担任の先生に「病院に行った方がいい」と言われ、母を呼んでタクシーで病院へ行くことになりました。

 

後で聞いた話ですが、私の顔は「東海道四谷怪談」のお岩さんのように青く腫れていたらしいです。でも点滴はされたものの、入院や手術をした訳ではなく、確か頭の内出血という話だったと思います。

 

ただこのことがあってから、それまで1.0あった視力が急激に低下し最終的に0.01になりました。これもこの病院の眼科で診てもらったので、記録が残っていたのでしょう。

 

私がすぐに脳神経外科に案内されたのは、もしかするとそういったことが関係していたのかもしれません。診察で先生に「今になってあのときの後遺症が出たのかもしれない」というような話をされ、後日MRIなどいくつか検査をすることになりました。

 

MRIとは人間の体に電磁波をあてて断層撮影をする検査で、当時は棺桶みたいな機械の中にほぼ全身入るような形だったと思います。

 

工事現場みたいなすごい音がして、その間にリラックス効果を狙ってのことなのか、ミスチルの曲が流れていたことが記憶に残っています。

 

しばらく検査で病院に通う日々のなか、私は「頭に後遺症なんて、一体これからどうなるんだろう」と不安で不安でたまりませんでした。

 

20歳前後だったこともあり、今からもし視力が下がる以上の何かが自分の身に起こったらと、夜も眠れないくらい不安だったのです。

検査の結果は?

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上でご紹介したように私はとにかく不安でたまらない日々を過ごしていたのですが、結局検査の結果は異常なしでした。当然「あぁよかった!!!」と喜んだんですが、「じゃあ、あのめまいは何だったの?」とモヤモヤすることになりました。

 

頭に異常がないとわかったのは嬉しいけれど、めまいの原因がわからないんじゃ病院に来た意味がありません。でも先生も首を傾げていて、原因はわからないという感じでした。

 

ちなみに今ならめまいといえば「メニエール病かもしれない」と耳鼻科を受診していたと思います。でも当時はまだメニエール病は有名ではなく(少なくとも私は聞いたことがありませんでした)、めまいが耳からきている場合があるなんてこと考えもしませんでした。

 

(インターネットでパッと調べられる環境ではなかったんです)先生にも耳鼻科の受診を勧められた覚えはありませんし。

 

しかも頭に異常がないという検査結果を聞いた頃、私のめまいは治まっていました。これは恐らく検査を受けている間に梅雨が明けたことと、その間仕事を休んでしっかり体を休めていたことが関係しているのではないかと思います。

 

まぁこれは今だからわかることなんですが。現在の私は雨の日にめまいを起こしやすく、特に梅雨の時期はメニエール病の症状が出やすいことがわかっているので。加えて疲れているときは、症状も強く出ます。

 

でも当時はそんなこと全くわからなかったので、「よくわからないけれど、治ったならまぁいっか」と思い結局通院はやめました。

 

もしかするとあのとき原因を突き止めるまで通院をやめなければ、もっと早くメニエール病だとわかっていたかもしれません。後々そう後悔することもありました。

調べてもまた何もわからないかもしれないと思った

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でも当時私は「ずっと病院に通ってもどうせ原因はわからないだろう」と思っていました。

 

なぜなら頭の内出血が起きた後に視力が急激に下がったことについて、関係があるのか、これ以上視力が低下するのか、回復する方法はあるのかなど、あちこちの病院で詳しく調べてもらいましたが、結局なにもわからなかったからです。

 

どこの病院へ行っても、何日も通いヘトヘトになるくらいたくさん検査をしても、結局「とりあえず様子を見ましょう」という答えでした。

 

そういったことがあったので、私はそのとき「これ以上病院に通っても、疲れるしお金はかかるし、しかも何もわからないかもしれない」と思い通院をやめたのです。

通院をやめた後は?

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通院をやめてすぐ、私は仕事に復帰しました。けれどしばらくたって、私はまためまいを起こすようになりました。専門的なことはわかりませんが、今なら季節が関係していたのかなと思います。

 

私がめまいを起こしにくい時期は夏と冬で、それ以外の時期、特に季節の変わり目は仕事に行けないような強いめまいを起こしやすいので。

 

結局めまいで仕事に行けなかったり、かと思えばめまいが治まり普通に仕事ができる、なんて時期を繰り返すことになりました。このときは「メニエール病」だとわかっておらず、病院に通っても原因がわからなかったという状態だったので、周囲の目も甘くありません。

 

直接は言われませんでしたが、「仕事したくない気分のときに休んでいるんじゃない?」など、陰で言われていたことを知っています。でも逆の立場で考えれば、私が仕事を休んだことでその人に負担をかけたんですから、言われても仕方ないと思いましたが。

 

結局私は再びめまいがひどくなった時期に、仕事をやめました。それからしばらく仕事をせずに自宅で過ごし、めまいが治まってからまた新しい仕事を探しました。

まとめ

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今回は私が初めてめまいの発作を起こし、職場で倒れた体験談をご紹介しました。あのときのことは、今でも忘れられません。

 

毎日のように雨が降り続くなか、頭の内出血の後遺症かもしれないと怯えながら病院に通ったことも。まぁ今では「ネガティブすぎるだろ!」と笑い話になっているんですが。

 

ちなみに今回ご紹介した話が1回目で、私が職場で倒れた話はあと2回あります。次回は古本屋で働いているときに倒れた話で、実はこのとき私は息ができなくなって死ぬかと思う体験をしました。気になった人はぜひ次回も読んで頂けたら嬉しいです。

 

↓2回目、古本屋で倒れたときの体験談はこちら。

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↓3回目、調剤薬局で倒れたときの体験談はこちら。

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祖父の介護⑧ヘルパー&薬剤師の訪問を拒否する!理由や解決法は?

この記事は、私が祖父(2018年7月に永眠)の介護にかかわった約8か月の体験を元にしています。私は介護にかかわること自体初めてで、何の知識もありませんでした。

そんな私が最後まで祖父の介護にかかわることができたのは、ケアマネージャーさんやヘルパーさん、訪問看護師さん、主治医の先生など多くの人達の助けがあったからです。

今になって当時を振り返ると、「あの時ああすればよかった」など反省することも多いです。その体験が少しでも誰かの役に立てば嬉しいと思い、記事にすることにしました。

この祖父の介護の記事は私の実体験を語りながら、感じたことや反省したこと、そして介護や医療関係者から受けたアドバイスなどもご紹介します。

 

 

 今回は祖父がヘルパーさんや薬剤師の訪問を拒否したことについてご紹介します。

 

祖父がそんなことをした理由や、解決方法についてもお話しますので、もし同じようなことで悩んでいるという人は読んで頂けたら嬉しいです。

 祖父がヘルパー&薬剤師の訪問を拒否!

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まずは祖父がヘルパーさんと薬剤師の訪問を拒否した経緯について、お話します。

 

祖父が退院して2日後の11月27日に、私は母と一緒に祖父の自宅で初めてケアマネージャーさんと、新しいヘルパーさんに会いました。

 

そこで今後のケアプランを立て、今まで週1だったヘルパーさんを週2に変更しました。でも祖父が30日に認知症だと発覚し、警察を呼ぶ事態になったので、ヘルパーさんには週3入ってもらうことになりました。

 

そして12月7日、祖父は「お金をとった!」とヘルパーさんを泥棒扱いし、買い物代行を拒否しました。このことを私は次の日の8日に電話で聞かされました。

 

その日は要介護認定に必要な認定調査を受ける日だったので、私は祖父の自宅に向かいました。すると祖父は機嫌が悪く、「ヘルパーが毎日来る。毎回違う人が来る。今月はもう100人来た」などと私に訴えました。

祖父が家の中で倒れているかもしれないと大騒ぎに

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また意味不明なことを言っていると思っていたら、11日の朝にヘルパーさんから電話がかかってきました。

 

なんと祖父は9日にヘルパーさんの訪問を拒否、処方薬を自宅に届けに来た薬剤師を拒否。次の日に祖父の自宅に電話をかけたけれど出ず、今日の朝も電話に出ないと言うのです。

 

ケアマネージャーさんが祖父の自宅まで行き、ドアや窓を叩いても反応がないとのこと。「もしかしたら家の中で倒れているのかもしれない」と言われ、私は「すぐに行きます」と返事をしました。

 

準備を終えて出かける前に念のため祖父の自宅に電話をかけると、祖父が出ました。拍子抜けしつつ事情を聞くと、郵便局に行っていたという返事。

 

ケアマネージャーさんやヘルパーさん、薬剤師にどれだけ迷惑をかけたか説明しましたが、「郵便局がいっぱいやった。あいつらは仕事が遅い」などと言うばかり。

 

通話を終えてヘルパーさんに事情を説明し、私は祖父の自宅に向かうことを中止しました。

 

すると同じ日の夕方にケアマネージャーさんから電話が入り、「あの後薬剤師が薬を届けに行ったけれど出てくれなかった」と言われ、「また同じことがあると困るので、キーボックスを設置して中に合鍵を入れて下さい」と言われました。

合鍵を入れたキーボックスを設置する

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私は電話を切ってすぐにホームセンターへ向かい、キーボックスを購入。次の日の12日に合鍵を作り、祖父には内緒で水道のメーターのところに設置しました。

 

その後で祖父の自宅に入ると、祖父は「ヘルパーが好きな時間に勝手に来よる」とご立腹。ちょうどヘルパーさんが来たので事情を聞くと、時間は曜日によって違うと説明されました。

 

実はその日が祖父の介護⑥でご紹介した、ヘルパーさんが祖父の自宅を訪問する現場を初めて見たときでした。

 

その日祖父が今までヘルパーさんに何もしてもらわずに帰していたことが発覚し、私は「何もしてもらわなくても、ヘルパーさんが自宅を訪問するだけでお金をとられるんですよ」と祖父に説明。

 

祖父は納得がいかなかったらしく、結局ヘルパーさんの訪問は週3から週2に戻すことになりました。

ヘルパー&薬剤師の訪問を拒否した理由は?

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祖父がヘルパーさんや薬剤師の訪問を拒否したと電話で聞いたとき、私は申し訳なさと恥ずかしさでいっぱいになり、その後に怒りを感じました。

 

ご迷惑をおかけした人には全て私が謝罪したものの、祖父は自分が悪いとは全く思っていなかったのです。

 

ヘルパーさんには祖父ができるとは思えない洗濯や掃除、それに自分でできるけれどかなり時間がかかってしまう食事の用意などをしてもらうことになっていました。

 

週に3回、1日1時間でもヘルパーさんに助けてもらえば、祖父の生活は格段に快適になったはずです。それをどうして拒否するのでしょうか?

 

薬剤師も、祖父の自宅から10分はかかる薬局からわざわざ処方薬を届けてもらっていました。祖父が薬剤師の訪問を拒否したのは9日の土曜日で、前日の夕方に主治医の先生に往診に来て頂いていました。

 

つまり薬剤師は、処方箋が出てすぐ次の日に薬を届けて下さった訳です。(最初は月曜日に届ける予定と聞いていたのですが、認知症の薬が入っていたので早く届けて下さったんでしょう)

 

ケアマネージャーさんも週1から週2、そして週3と短い間にヘルパーさんに入って頂く日が変わったので、専門的なことはわかりませんが色々と大変だったはずです。

 

多くの人にこれほどよくして頂いているのに、それを拒否するなんて祖父が一体なにを考えているのか全くわかりませんでした。

拒否した理由①祖父なりの抵抗?

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祖父が2度とヘルパーさんや薬剤師の訪問を拒否しないようにするために、私はまずなぜ祖父がそんなことをしたのか理由を考えてみました。

 

本来なら本人に理由を聞けば済む話ですが、元々の性格なのか、それとも認知症だからなのか、私が尋ねても関係のない話をするばかりで、求めている答えは得られませんでした。

 

なのでこれはあくまで私の想像に過ぎないのですが、拒否した理由は祖父なりの抵抗だったのではないかと思います。

 

祖父は私が介護にかかわってから起きた変化を、きっと不満に思っていたのでしょう。

ヘルパー事業所を変えたことが気に入らなかった?

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たとえばヘルパー事業所が変わったこと、週1だったヘルパーさんの訪問が週2、そして週3と変わったこと。薬剤師に自宅まで薬を届けてもらうようにしたことなど。

 

もちろんこれらは全て祖父にきちんと説明し、祖父の承諾をとっていました。ヘルパーさんの訪問に関しては、書類に署名したのも祖父ですし、私が勝手に話を進めた訳ではありません。

 

けれど祖父からすれば、断れない状況で無理やり承諾させられたようなものだったのでしょう。

 

契約の話をするときは、私だけでなく私の母やケアマネージャーさん、ヘルパーさんも同席して、祖父を囲むような形で話をしたので。

 

週に何度訪問してもらうかという話も「何回にしますか?」ではなく、「週2回入ってもらわないと無理ですよ」というような言い方でしたし。

 

なぜそんな言い方になったのかと言うと、祖父はお金がかかることを極端に嫌うタイプだったので、祖父に任せてしまうと週1の訪問ですら断ってしまうからなんですが。

 

ともあれ祖父は私が介護にかかわってから起きた変化を不満に思っていて、ヘルパーさんや薬剤師の訪問を拒否することで、祖父なりの抵抗を示したのではないかと思います。

 

ヘルパーさんに何もしてもらわず帰したのも、自分は週3の訪問に納得していない、追い返せばお金をとられずに済むし、週3から週1など回数も減るのでは?と考えたのかもしれません。

拒否した理由②急激な変化を嫌う?

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ちなみに祖父の介護⑦でご紹介しましたが、年末年始に入ってもらうためにヘルパー事業所は1月から変更になりました。新しいヘルパーさんには元旦から入って頂いたんですが、祖父はかなり抵抗を示したようです。

 

このことから、祖父は短期間で起こる変化を嫌っているのでは?と思いました。祖父に認知症の症状が出たのも、警察を呼ぶ事態になったのも、ケアマネージャーさんは「急激な変化が原因」と言っていましたし。

 

ヘルパーさんには失礼な話なんですが、祖父からすると「ある日突然見知らぬ人が自宅を訪問してきて、自分の生活空間の中に入り込んでくる」という状態になるので、不安だったり、混乱したりしたのかもしれません。

拒否した理由③お金をとられると思った?

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加えて祖父はダイニングと寝室の2か所にまとまったお金を置いていて、それをヘルパーさんに盗まれることを警戒していたようです。

 

なぜそれがわかったのかというと、祖父から「ヘルパーが勝手に寝室に入る」とか「2人で来て、わしがダイニングにおると1人が寝室でゴソゴソやっとる」などと聞かされたからです。実際祖父は「ヘルパーにお金をとられた!」と騒ぎましたし。

 

もちろんヘルパーさんがお金を盗んだ、なんて事実はありませんが、そのことをいくら祖父に説明しても納得してもらえませんでした。

 

自宅を訪れるヘルパーさんは毎回同じ人ではないですし、曜日によって訪問時間も違っていたので、祖父からすると来る人がコロコロ人が変わる、いつやって来るかわからないという状態で、気が抜けずストレスになっていたのかもしれません。

祖父が薬代の支払いを拒否!薬剤師が嫌い?

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1月23日、祖父は薬を届けて下さった薬剤師に代金を支払うことを拒否しました。

 

ケアマネージャーさんから「薬は受け取ったものの、お金は支払わなかった」と連絡を受け、私がどれだけ恥ずかしかったか……。

 

その後祖父と話をしてみましたが、「お金がなかった」とか「薬代が高い」とか言い訳をするばかり。

 

でも薬代が払えないほどお金に困っていた訳ではありませんし、そもそも1割負担で薬代は高いとは言えない金額でした。それなのに祖父は「とにかく薬代は支払いたくない!」という態度。

 

理由がわからずしばらく祖父の話を聞くうちに、祖父は薬剤師が気に入らないということがわかりました。なにしろ「態度が悪い」とか「偉そうに指図してくる」とか、「いらん薬ばっかり持ってくる」など文句のオンパレードだったので。

 

でも祖父の言っていることは事実ではありません。薬剤師はとても親切で説明も丁寧でしたし、薬だって主治医の先生が処方した祖父に必要なものです。

薬剤師という職業をよくわかっていなかった

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ただ祖父は薬剤師という職業についてよくわかっていなかったようです。薬剤師や看護師のことを「医者の真似事をしとる」などと言っていたので。(ものすごく失礼な話ですよね)

 

また「態度が悪い」とか「偉そうに指図してくる」とか言ったのは、薬剤師とヘルパーさんを比べてのことだと思います。

 

たとえばヘルパーさんなら祖父が嫌がることはやらない、ということもできると思いますが、薬剤師の場合は祖父が「この薬は飲みたくない」と言っても「じゃあ飲まなくていいです」という訳にはいかないでしょうから。

 

薬の飲み方だって「好きなときに好きなだけ飲めばいいです」なんてことはあり得ませんし。

 

でも祖父はそのことがわからず、「自分よりも若くて医者でもないくせに、わしに偉そうに指図しよる」という感じで腹を立てていたのでしょう。

 

実際私が薬剤師に謝罪に行ったとき、「祖父に嫌われているみたいだ」という話を聞きました。祖父は毎回ひどい態度をとっていたようです。

 

それを聞いてなんとか祖父がそんな態度をとらないようにと話をしてみましたが、結局わかってもらえないままでした。

ヘルパー&薬剤師の訪問拒否を解決した方法

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こちらでは、祖父がヘルパーさんと薬剤師の訪問を拒否することを解決した方法を、それぞれご紹介します。

ヘルパーの場合の解決方法

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祖父が鍵をかけてヘルパーさんの訪問を拒否するという問題は、12月12日にキーボックスを設置して合鍵を入れたことで解決しました。

 

けれどたとえ室内に入れても祖父がヘルパーさんの介護を拒否すれば、ヘルパーさんは何もせずに帰るしかありません。この問題は、私ではなくヘルパーさんが解決してくれました。

 

祖父は1月から入ってもらったヘルパーさんのことを、とても気に入ったのです。

 

変更当初は新しいヘルパーさんを警戒し、ひどい態度をとっていたようですが、徐々に態度が和らぎ、最後にはヘルパーさんに信頼を寄せるようになりました。

 

あの気難しくて他人を褒めるなんて滅多にしなかった祖父が、私に「あのヘルパーはよう仕事する」とか、「何も言わんでもわしが思った通りの食事を用意してくれる」など、気に入っていることがよくわかる話をしたので、本当に驚きました。

 

これはヘルパーさんのお力のおかげだと思っています。

タイミングもあって解決した

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ただ以前のヘルパーさんが力不足だった、という訳ではありません。

 

祖父は12月下旬に入院し、1月に入ってからも体調を崩し、2月には主治医の先生に「覚悟して下さい」と言われるほど危険な状態になりました。それから寝たきりになり、ヘルパーさんなしでは生活できない状態になったのです。

 

身体が弱れば心も弱りますし、ベッドから自力で動けない状態になれば意地を張ることも続かないでしょう。なのでこの件は、タイミングもあって解決したのだと思っています。

薬剤師の場合の解決方法

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上でご紹介したように合鍵を置いたことで、祖父が鍵をかけて薬剤師の訪問を拒否することはできなくなりました。

 

でもそれで祖父が薬代の支払いを拒否することまでは防げません。祖父に話はしたものの「薬代は支払いたくない!」という意志は変わらず、私はとりあえず謝罪と支払いのために薬局に向かいました。

薬代の支払いを銀行振込にしてくれた

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事情を説明し、私が毎月薬局に支払いに来るという方法がとれないか相談したところ、なんと「支払いは銀行振込でOK」と言われびっくり。

 

私は調剤薬局に事務として勤めていたことがあるのですが、まさか処方薬でそんな支払い方法があるなんて思いもしませんでした。

 

銀行振込なら私の自宅の近所で済ませられるので、非常に助かります。薬剤師には今まで通り祖父の自宅に薬を届けてもらい、支払いに関する話はしないことに決まりました。

 

この銀行振込がどこの薬局でもやってもらえることなのかはわかりませんが、もし祖父のように薬代の支払いを拒否することで困っているなら、1度薬局で相談してみると解決するかもしれません。

まとめ

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今回は祖父がヘルパーさんや薬剤師の訪問を拒否することについて、理由や解決した方法をご紹介しました。

 

祖父の行動は私からすると全く理解できないことでしたが、祖父には祖父なりの理由があったようです。

 

その理由を考えてみて、祖父の気持ちが全くわからないという訳ではありませんが、現実的に訪問を拒否することは困ります。ヘルパーさんや薬剤師、ケアマネージャーさんなど、多くの人に迷惑をかけてしまいますし。

 

ただ1人で問題を解決しようとあがいても結局どうにもできないという場合も多く、逆に助けを求めて相談するとあっさり解決することもあります。

 

なのでできるかどうかはひとまず置いて、困ったときは介護・医療関係者に相談することをおすすめします。